昔の友人に会いたい、疎遠だった家族と久しぶりに連絡を取りたい…。誰でも1度は、連絡がつかなくなった相手に会いたいと思ったことがあるのではないでしょうか。そこで今回は、会いたい人ができた時に活用できる、人探しアプリを紹介していきます。
2022年1月現在、日本のスマホ普及率はなんと94%にもおよび、これは15歳以上のほとんどの国民がスマホを保有している計算です。(引用:NTTドコモモバイル研究所より)そんな現代だからこそ、生活に欠かすことのできなくなったスマホを使って、会いたい人と繋がる方法や利用する際の注意点を知っていきましょう。
人探しアプリとは?
人探しアプリとは、スマホのGPS機能やSNSアプリを使って、本人の位置情報を把握したり、近況を追うことで人探しに役立つ情報を得られるアプリを指します。
ただし、どのアプリも本来の目的は人探しではないので、どれを使うのが効率的かというのは、
- 探したい人物とどんな関係か?
- 探したい人物の連絡先を知っているか?
- 探したい人物のGPS機能がオンになっているか?
などの条件によって、活用できるアプリは異なります。
以下では、本来の目的以外に人探しにも活用できるアプリを具体的に紹介しています。利用条件を参考に、自分の状況ではどのアプリが活用できそうかを考えながら、取り入れられるアプリを探していきましょう。
また人探しはアプリを活用するだけでなく様々な方法があります。以下は色々な人探しの方法をまとめているため、こちらも合わせて読んでみてください。
人探しに使えるアプリ11選
ここからは人探しに使えるアプリを具体的に紹介していきます。人探しに活用できるアプリは大きく分けると
- GPS機能を利用した位置情報で人探しをするアプリ
- データのバックアップを目的とした内部監視アプリ
- SNSを利用して情報を集めるアプリ
の3つに分けることができます。
ただアプリによっては事前にインストールが必要であったり、位置情報の共有が必須という条件があるため、自分の場合はどのアプリが活用できるか考えながらみていきましょう。
GPS機能を使ったアプリ
スマホに内蔵されているGPS機能を使って、探したい人物の現在位置を知り人探しを行います。あらかじめGPS機能がオンになっていること、共有設定を行っていることなど、利用条件は厳しいですが、クリアしている場合はより正確な行方を掴むことができます。
探す【iPhoneのみ】
- 事前に探したい人物が「探す」をインストールしている(ただし、iPhoneでは初期状態でインストールされている)
- 事前に位置共有の許可or利用時にメールでの申請で共有を許可されている
- AppleID、パスワードをもっている
- 相手のGPS機能がオンになっている
初期設定や位置情報の共有を許可など、利用のハードルは高いですが、クリアできれば非常に正確な居場所が分かるアプリです。
元々は紛失時に自分のスマホを探す「iPhoneを探す」と、位置情報から友人を探す「友達を探す」のアプリの機能が一つになったものです。
具体的な探し方は、「探す」のアプリを選び、「人を探す」を選択します。次に位置情報を共有している相手の一覧がでるため、その中から探したい相手をタップして選択しましょう。すると、探したい相手の現在の位置情報と住所、「たった今」「5分前」などいつその住所から電波を受信したかを確認できます。
非常に正確な位置情報を掴めるため、身内で突然行方不明になってしまった人を探したり、家出をしている子供の居場所を突き止めるなど、利用条件をクリアしている場合は迅速な人探しに役立ちます。
Zenly(ゼンリー)【両端末対応】
※「Zenly」は2023年2月3日にサービス終了しました。
- 自分・探したい相手、双方がインストールしている
- お互いに位置情報の共有を許可している
- 相手のGPS機能がオンになっている
10代など、若い世代から指示を集めているGPS共有アプリです。
元々親しい友人との待ち合わせや、遊ぶ約束をするために近くにいる友人を検索する目的でインストールされることが多く、有料課金がないため安心して使うことができます。
人探しに活用するためには、互いに位置情報が分かるように事前のインストールと双方の共有設定が必要ですが、若年層に人気があるアプリなので、中高生のお子さんの居場所を把握したいと感じている場合は取り入れやすいかもしれません。
探し方は、事前に登録を済ませておけば、アプリを開くだけで探したい人物の現在の位置情報を知ることができます。
ただZenly(ゼンリー)では、位置情報を知られたくない場合は、一か所にいるままにできる「フリーズ」や「あいまい」といった居場所を特定されない機能が付いているため、本人の意思で行方が分からなくなっている場合は活用することが難しいかもしれません。
life360【両端末対応】
- 自分・探したい相手、双方がインストールしている
- お互いに位置情報の共有を許可している
- 相手のGPS機能がオンになっている
- 無料登録は可能だが追跡は2日間。(有料版が30日間追跡可能)
子どもや家族の見守りのために作られたアプリです。
事前にGPS共有を許可したグループの位置情報を把握することができ、子どもの見守りや仲の良い友達との待ち合わせに役立ちます。
無料で使用もできますが、行動履歴の把握できる日にちが異なるため、有料版にするかは状況を見て判断しましょう。
具体的な探し方は、こちらも事前登録を済ませておけば、アプリを開くだけで、すぐに探したい人物を含めた登録している人たちの位置情報が表示されます。
ただ人探しとしての活用例は、家出の心配がある家族や小さな子供の防犯のために事前にインストールしておき、探したいタイミングで使うという限定的な利用となります。
スマホの内部監視アプリ
スマホの故障やデータ紛失の際のバックアップとして活用されるアプリも、利用条件を満たせば人探しに活用することができます。
AirDroid【両端末対応、ただしiPhoneの場合は機能制限あり】
- 探したい相手が事前にインストールしている
- AirDroidと同期したPCを触れる環境にある
データのバックアップのために開発されたアプリです。
iPhone・Android両端末に対応していますが、iPhone所有者の場合はiCloudを利用していることが多く、主な対象者はAndroidになります。利用できるのは、データ紛失などに備えて事前にアプリをインストールしておき、さらに同期したPCを操作できる環境にある人に限られますが、利用条件を満たしている場合は、スマホのリモート操作、カメラの起動、ウェブ上でデバイスの管理、画像や動画の転送など、スマホ内のデータのほとんどを閲覧することが可能になります。
具体的な探し方は、AirDroidと同期したPCで同期設定がされているスマホが、探したい人のものかを確認してから「詳細」をクリックします。すると「連絡先」「メッセージ」「アプリ」「ミュージック」「ビデオ」「写真」の一覧が表示されるため、「メッセージ」の履歴や最近の「写真」などから居場所のヒントを探ってみましょう。
身近な家族の行方が突然分からなくなった、最近心配な言動が増えて家出したなどの場合は、このアプリを使うことで位置情報だけでなく、どんな人物と連絡を取っていたか、行方不明時にはどんな心境であったのか、など探す手掛かりを見つけることができます。
Cerberus(ケルベロス)【Android版のみ】
- 探したい相手が事前にインストールしている
- 7日間は無料(その後1台につき年間5ユーロ(約650円)が必要)
人探しアプリとしてではなく、浮気調査アプリとして有名なアプリです。
探したい相手のスマホへ事前にインストールしておけば、GPSで現在の位置情報・電話番号や通話履歴の閲覧・SNSメッセージの閲覧・カメラの起動や録画まで、内部監視機能のほとんどが揃っています。
ただこのアプリを活用するためには、事前に探したい相手のスマホにインストールする必要があり、こちらも限られた場合しか人探しアプリとしては使えません。
具体的な探し方は、探したい人物にアプリをインストールして初期設定をすませたらPCで登録したユーザー名とパスワードでログインを行います。次に左のコマンドをプルダウンし、「トラッキングを開始」をクリック後、右にトラッキングを開始の表示が出れば操作完了です。これで探したい人物の現在位置を把握することができます。
Cerberus(ケルベロス)は、GPS機能だけでなく、スマホ内の情報をほぼすべて閲覧できるアプリですが、相手の許可なくスマホにアプリをインストールする行為は「不正指令電磁的記録供用罪」や「不正アクセス禁止法違反罪」といった法に触れる恐れがあるので、このアプリを活用する際は利用方法に十分気を付けておきましょう。
SNSアプリを使った人探しアプリ
友人や同じ趣味の人、様々な人たちとの出会いをもたらしてくれるSNSは、人探しを行う上でも貴重な情報源となります。以下は具体的に、どのようなSNSが人探しに役立つか紹介しています。
Facebook【両端末共通】
- 本人or本人に近い人物がFacebookに登録している
- 本人or本人に近い人物の公開設定が限定されていない
Facebookは日本で2600万人のユーザー数を誇る、最大級のSNSです。
このアプリが人探しに役立つ大きな理由は、「実名登録が基本」という点です。このため探したい人物がFacebookに登録している場合、検索窓に名前を入力するだけで、探したい人物が見つかる可能性があります。
またもし探したい本人がFacebookに登録していなくても、「出身校」「出身地」「居住地」「勤務先」といった情報を検索し、探したい人に近い人を見つけることができれば、その人から探したい人物の近況や現住所などを聞ける可能性があります。
Facebook内で探したい人物を見つけられた場合は、直接メッセージを送ることもできるため、探したい人物の連絡先がわからない、長い間連絡を取っていなかったという場合は一番に試したいSNSアプリです。
LINE【両端末共通】
- 本人or本人に近い人物の連絡先を知っている
- 本人or本人に近い人物がLINEをインストールしている
スマホを持っている人なら、ほとんどの人がインストールしているといっても過言ではないアプリです。
主に通話を目的として、インストールされていることが多いアプリですが、人探しを行う場合は「タイムラン」の機能に注目します。LINEの「タイムラン」は、1対1やグループでの通話・チャットと異なり、自分と繋がる友人たちへお知らせや近況を画像や文字で共有できる機能です。この機能を活用すれば、長い間連絡を取っていない友人などでも相手の近況を知ることができます。
他にも「知り合いかも?」という機能では、自分の連絡先(電話番号)を元に、知り合いと思われる人のLINE情報を知ることもできます。
本人か本人に近い人物の連絡先を知らないと、活用は難しいアプリではありますが、若年層から年配層まで幅広い利用層とシェア率の高さが魅力のアプリです。
Twitter【両端末対応】
- 特になし(ただし相手のアカウントが分かれば、より効率的)
Twitterは人探しのための利用条件がなく、様々な方法で人探しができるアプリです。
1つ目は、探したい人物の情報を、広く一般のユーザーに募る方法です。こちらの場合は、自分のアカウントに「探したい人物」についての情報を書き込み、アカウントの固定ツイートにピン止めしつつ、リツイートを定期的に行うことで、多くのユーザーに情報の提供を呼び掛けることができます。さらにより拡散力を上げるために、「#行方不明」「#人探し」「#拡散希望」「#(地名)」「#尋ね人」などのハッシュタグをつけておくと、拡散力の向上や目にとまる層を増やすことにも繋がります。
2つ目は、すでに探したい人物のアカウントが分かっている場合です。この場合は、判明しているアカウントに「いいね!」や「リプライ」といった反応をしている親しいアカウントへの聞き込みを行い、探したい人物の近況や連絡先などを教えてもらいます。
Twitterは本名で登録している人がほとんどおらず、匿名性の高いSNSですが、親しいアカウント同士の場合はDMで直接やり取りをしていたり、軽い会話の中で行き先についてや、今後のことについて話している場合があります。
親しいアカウントへ聞き込みを行う場合は、相手の警戒心をどうやって解くかも重要になるため、なぜ探しているのか?などを明確に説明できるようにしてから取り組んでみましょう。
Instagram【両端末対応】
- 特になし(ただし相手のアカウントが分かれば、より効率的)
画像投稿を主としたSNSアプリです。
若い世代に利用者が多く、基本的に文字ではなく画像投稿を主としているため、探したい人物のアカウントが分からない場合は、捜索に苦労する可能性があります。
ただアカウントが分かり頻繁に投稿をしているようであれば、画像から「よく行くお店」「周りの風景」「本人以外に写っている親しい人物」など様々な情報を読み取れる可能性があります。
自ら行方をくらませている人が、頻繁に投稿することは考えにくいですが、昔の友人を探したい、旅先で出会った恩人と連絡を取りたいなど、相手が姿を隠していない場合に活用しやすいアプリです。
mixi【両端末対応】
- 本人か近しい人物がmixiに登録している(ただし若い世代や年配層の利用者は減少傾向が続いているため、30歳~40歳前後の人を探す場合に活用)
30代前後に利用者が多く、現在やや下火となっているSNSアプリです。
他のSNSアプリよりも、自分の日記を残すイメージで利用されており、本名で登録している人も少ないことから、探したい人物の趣味や興味のあることが分かっている場合に利用を検討してみましょう。
他にも出身校・趣味・出身地・好きな食べ物など、様々なコミュニティが存在しているため、もし現在もそれらのコミュニティに所属している可能性がある場合は、そうした足跡から探したい人物の痕跡が見つかるかもしれません。
WhatsApp(ワッツアップ)【両端末対応】
- 連絡先を互いに交換している
- 自分・探したい相手、双方がインストールしている
日本ではまだ利用者は多くはありませんが、連絡用ツールとして世界的に有名なアプリです。
LINEによく似ていますが、タイムランといった機能はなく、LINEよりもさらに連絡ツールとしてシンプルになっています。
WhatsApp(ワッツアップ)では、相手の居場所などを正確に知ることはできませんが、登録している連絡先が「いつログインしたか?」がわかります。
このため連絡先も知らず長い間連絡を取っていない人の人探しには不向きですが、身内などの普段から連絡が取れる間柄でこのアプリを互いにインストールしていれば、最後にいつこのアプリを使ったか?どのくらいログインをしていないか?など行動履歴の把握に繋がります。
人探しアプリを使う上での注意点
人探しアプリは状況に応じて、費用を抑えて素早く捜索できるように感じますが、使用にあたっては以下の注意点を頭に入れておきましょう。
- 情報の正誤の判断は慎重に行う
- 探したい人物の個人情報の漏洩に気を付ける
- 利用の仕方によっては違法性があることを理解する
人探しアプリを利用するうえで、気を付けたいのが「ネット上の情報は真偽の判断を慎重に行わなければいけない」という点です。
正しい情報であっても、記載されている内容が古かったり、広く情報を募るために拡散してもらえば、いたずらや悪意のある書き込みが行われる可能性もあります。人探しでは情報は貴重な足跡の一つですが、すべてを信じるのではなく、正しい情報を取捨選択する能力も必要です。
また広く情報を集める場合は、自分だけでなく探したい人物の個人情報についても、慎重に取り扱いましょう。
個人情報をむやみに開示して人探しを行ってしまった場合、その情報が悪用されるだけでなく、最悪の場合犯罪に巻き込まれる可能性すらあります。書き込む場合は「何を、どれだけ、どの程度の人」に公開するかを慎重に判断しましょう。
またもう一つ気を付けたいのが、心配だからといって勝手に他人のスマホにGPS機能のアプリをインストールしたり、スマホ内部の動画や画像を見る行為は「不正指令電磁的記録供用罪」や「不正アクセス禁止法違反罪」に触れる恐れがあります。利用の際には本人の確認をとるなど、正しい利用を心がけましょう。
まとめ
人探しアプリは、スマホを持っている人なら、すぐに始められる気軽な人探し方法です。利用条件を満たしていれば、すぐに行方の分からなくなった家族の居場所を突き止めたり、SNSで昔の友人や初恋の人の情報を呼び掛けるなど様々な使い方をすることができます。
ただし手軽に取り入れられるからといって、小さな子供が学校から帰ってこない、帰宅するはずの家族が深夜になっても戻らないなど、事故や事件に巻き込まれている可能性がある場合は、人探しアプリで行方を調べるのではなく、すぐに警察に連絡しましょう。
また緊急性や事件性が低く、警察に動いてもらうことは難しいが、一刻も早く居場所を見つけたいと考える場合は、探偵事務所などプロに相談することも検討しておきましょう。
人探しは常に時間との勝負です。だからこそ、人探しアプリは会いたい人に会う一つの手段として、自分の状況や環境に最適な人探し方法を選んでください。