夫の浮気相手がシングルマザーであっても、不貞行為を証明できる証拠があれば浮気相手のシングルマザーに対して慰謝料を請求できます。
シングルマザーが浮気相手になりやすい理由には、浮気相手の配偶者からの慰謝料請求のリスクがないこと、結婚を迫られることがないことなどが挙げられます。
この記事では、シングルマザーが不倫相手になりやすい理由や慰謝料を請求する際の注意点などを解説します。
- シングルマザーが不倫相手になりやすい理由
- 夫の不倫相手がシングルマザーだった時の対処法
- 慰謝料請求する際の注意点
シングルマザーが不倫相手になりやすい4つの理由
シングルマザーが不倫相手になりやすい理由として以下が挙げられます。
- 配偶者がいないため慰謝料請求のリスクがない
- 結婚を迫られることがないため
- 男性に甘えたい気持ちが強いため
- 悩みを相談しやすいため
配偶者がいないため慰謝料請求のリスクがない
浮気相手が既婚者である場合、相手の配偶者から慰謝料を請求される可能性があります。しかし、シングルマザーは独身であるため、配偶者から慰謝料を請求されるリスクはありません。
慰謝料を請求されてしまうと、一般的に50万〜300万円ほどを支払う必要があります。このような負債を考慮して、既婚者である女性との不倫を避け、独身の女性を求める男性もいるでしょう。
結婚を迫られることがないため
不倫をしていると不倫相手が独身の場合、結婚を迫られることもあります。しかし、不倫をしている男性の中には夫婦関係までは壊したくないと考えている人もいるでしょう。このような男性にとって、結婚を迫ってくる可能性が低いシングルマザーは不倫相手になりやすいです。
シングルマザーは子どものことを最優先に考えるため、再婚に対するハードルが高い場合があります。そのため、シングルマザーによっては、お互いに深い責任を負わずに関係を維持できる不倫関係を希望する人もいるでしょう。
男性に甘えたい気持ちが強いため
シングルマザーによっては、一人で家庭を支えようと気負ってしまい、精神的・肉体的に大きな負担を感じている人もいます。このようなシングルマザーは家事や育児、仕事に追われるうちに「誰かに頼りたい」「支えてほしい」といった感情を抱く可能性があるでしょう。
このような甘えたい心理が、不倫関係に発展しやすい状況を生む場合があります。不倫相手となる男性は、癒しや特別な存在感を提供しやすいため、シングルマザーからすると心の隙間を埋める存在になりやすいでしょう。
悩みを相談しやすいため
シングルマザーは、子育てや生活全般でさまざまな悩みを抱えがちです。これらの悩みは、周囲の人には話しにくい場合も多く、理解者を求める気持ちが強くなることがあります。不倫相手となる男性が既婚者でさらに子供がいる場合、悩みを相談しやすいでしょう。
相談相手がいることで心の負担が軽くなり、気持ちの共有が深まることで関係が親密化するケースも少なくありません。このような背景から、悩みを打ち明けることがきっかけで、不倫関係が始まる場合があります。
夫の不倫相手がシングルマザーだったら?
夫の不倫相手がシングルマザーだった場合の対応として以下が挙げられます。
- 慰謝料を請求する
- 接触を禁止する
- 離婚する
夫が不倫をしていることを知ったら強い心的ストレスを感じる可能性があります。しかし、心的ストレスに任せて感情的に対応するとトラブルにつながりかねないので注意しましょう。
慰謝料を請求する
夫の不倫相手に対して慰謝料を請求可能です。不倫は不貞行為とされており、精神的苦痛を受けた配偶者は慰謝料を請求する権利があります。たとえ不倫相手がシングルマザーであっても同様です。
慰謝料請求の際には、不倫の事実(不貞行為)を示す証拠が必要です。具体的には夫と不倫相手との肉体関係が分かる写真やメッセージの履歴などが挙げられます。
接触を禁止する
夫と不倫相手との関係を断ち切りたい場合、接触禁止の措置を取ることが考えられます。具体的には、内容証明郵便を使って不倫相手に接触禁止を求める通知を送付します。通知に法的拘束力はないものの、正式な意思表示として相手にプレッシャーを与えられるため効果的です。
状況が深刻な場合は、不倫誓約書(示談書)に接触禁止の文言を盛り込みましょう。誓約書に双方が合意したのであれば、法的拘束力が生まれます。
不倫誓約書を作成する際のポイント
不倫誓約書には接触禁止だけでなく、誓約を破った際のペナルティを盛り込むことができます。例えば、ペナルティとして金銭の支払いを設けることも可能です。しかし、常識の範囲を逸脱する金額の支払いを設けたとしても、認められることはないでしょう。
さらに、不倫誓約書を作成する際は、公証役場にて公正証書として作成するのがポイントです。公正証書として作成することで万が一、誓約を破った場合、裁判所への申し立てを介さずに強制執行が可能です。
離婚する
不倫が原因で信頼関係が崩れ、修復が難しいと判断した場合、離婚を検討することになるでしょう。民法770条1項1号では、配偶者に不貞な行為があった場合、離婚の訴えを提起できると定めています。(※1)このように不倫は民法で離婚事由として定められているため、離婚調停や裁判において有利に働く可能性があります。離婚にあたっては財産分与や慰謝料、子どもの親権など、離婚に伴う諸問題について慎重に話し合う必要があります。
なお、離婚したことによって収入の減少や引っ越しなど、さまざまな生活の変化が予想されます。そのため、感情に任せて行動するのではなく、冷静に生活設計を考慮して判断しましょう。
シングルマザーに慰謝料を請求する際の注意点
夫の不倫相手がシングルマザーであっても慰謝料請求は可能ですが、次のような点に注意しましょう。
- 離婚の有無によって慰謝料の額が異なる
- 慰謝料の減額・分割を申し出られる可能性がある
離婚の有無によって慰謝料の額が異なる
夫の不倫相手がシングルマザーであるかどうかに関わらず、離婚の有無によって慰謝料の額は大きく変わります。離婚しない場合でも不貞行為による精神的苦痛は認められますが、離婚に至った場合はさらに深刻な損害とみなされ、慰謝料が増額される傾向にあります。
不貞行為が原因で離婚に至った場合、配偶者は結婚生活の破綻という重大な損害を受けたと認められます。そのため、慰謝料の額は高額になる傾向にあるのです。一方、離婚しないのであれば、結婚生活自体は継続しているため、損害の程度は相対的に軽減されます。裁判所は、これらの事情を総合的に判断して慰謝料の額を決定します。
慰謝料の減額・分割を申し出られる可能性がある
シングルマザーへの慰謝料請求では、相手から減額や分割払いの申し出を受ける場合もあります。その理由は、シングルマザーによっては経済的に余裕がない可能性があるからです。このような場合、一括で高額な慰謝料を支払うことは困難な場合が多いでしょう。
減額の申し出に対しては、相手の経済状況や子どもの養育費などを踏まえて検討する必要があります。感情的な対立を避け、公平な解決を目指すためにも、専門家を通じて交渉を進めることがおすすめです。
分割払いを受け入れる場合は、支払いスケジュールや遅延時の対処法を明確に定めた合意書を作成することが重要です。これにより、後々のトラブルを防ぐことができます。
さらに、相手が支払い能力を偽って減額を求めている可能性も否定できません。そのため、相手の収入や資産状況を正確に把握するための調査が必要になる場合もあります。
シングルマザーに慰謝料を請求するなら証拠を収集
浮気相手に慰謝料を請求する場合は、不貞行為を立証する証拠が必要です。証拠がなければ慰謝料を請求しても認められないのが一般的です。
慰謝料請求のための証拠を集める方法には、次の2つがあります。
- 自分で証拠を集める
- 探偵に証拠収集を依頼する
自分で証拠を集める
夫が不貞行為を犯している証拠は自分でも収集可能です。例えば夫の行動パターンを把握したうえで、浮気相手と会っているであろう日に尾行すれば、ラブホテルに入室する写真などの証拠を押さえられる可能性があります。
探偵に証拠収集を依頼する場合、調査費用が発生します。一方、自分で証拠収集をすれば調査費用が発生しないため、コストを抑えられます。
しかし、自分で証拠を収集しようとすると、次のようなデメリットにつながる恐れがあります。
- 証拠収集がバレる可能性がある
- 法律に抵触する恐れがある
- 精神的なストレスを感じる可能性がある
証拠収集がバレる可能性がある
自分で夫の不貞行為の証拠を集めようとした場合、夫や不倫相手にバレる可能性があります。証拠収集がバレてしまうと、夫との関係性が悪化するだけでなく、それまでの証拠を隠滅される恐れすらあるでしょう。証拠が集められないと慰謝料を請求できません。
法律に抵触する恐れがある
不貞行為の証拠収集は、方法次第で法律に抵触する恐れがあります。例えば浮気調査を代表する方法である尾行は、ストーカー規制法に抵触しかねません。また、夫と不倫相手とのメッセージ履歴を確認しようと無断で夫のメッセージアプリにログインする行為は、不正アクセス禁止法に問われる恐れがあるでしょう。
精神的なストレスを感じる可能性がある
自分で証拠を集めようとすると、不倫の現場に遭遇することになります。夫が不倫しているという心づもりがあったとしても、実際に不倫現場を目にすると、ショックを受けてしまうこともあるでしょう。
精神的な負担でストレスが溜まり体調を崩してしまう場合もあるため、夫への愛情が残っている、メンタルが弱く繊細な人などは注意が必要です。
探偵に証拠収集を依頼する
夫の不貞行為の証拠は探偵に収集を依頼できます。探偵に浮気調査を依頼した際の費用は、調査期間に応じて変動します。調査期間が長引くと調査費用はかさむ傾向にあるため、夫や不倫相手に関する多くの情報を共有して、スムーズな調査につなげましょう。
探偵に証拠収集を依頼する場合、費用が発生するものの次のようなメリットが期待できます。
- 法律に配慮して証拠を収集できる
- 精神的な負担を軽減できる
- 証拠収集に気付かれづらい
法律に配慮して証拠を収集できる
法律に抵触する方法で集めた証拠はその効力を失います。そのため、法律に抵触する方法で自ら証拠を収集したとしても、不貞行為が認められない可能性が高いでしょう。また、不貞行為の証拠として機能しないだけでなく、罰則を科せられる恐れがあります。
一方、探偵は探偵業法に則り、法律の範囲内で調査を行います。プロの調査スキルも併せて、高い効力を発揮する証拠収集が期待できるでしょう。
精神的な負担を軽減できる
先述のとおり、自力での浮気調査は精神的な負担が大きい行為です。一方、探偵であれば自らが不倫現場を直接目にすることはないため、精神的な負担を軽減可能です。プロが客観的に調査を行い、必要な情報を提供してくれるため、自身は平常心を保ちながら問題解決に向けて準備を進めることができます。
証拠収集に気付かれづらい
自分で証拠収集をする場合、調査内容がバレてしまう恐れがあります。しかし、探偵であれば証拠収集に気付かれづらいというメリットがあります。
探偵は夫や不倫相手に顔が知られていないため、気付かれる可能性は少ないでしょう。さらに、探偵は複数人で調査するため気付かれるリスクをより軽減できます。
夫がシングルマザーと不倫している場合は探偵に調査を依頼
夫の浮気相手がシングルマザーであっても、不倫関係にある場合は慰謝料の請求が可能です。慰謝料額は離婚の有無によって変動します。離婚している場合、精神的負担が大きいため、より相場は高くなります。しかし、シングルマザーによっては経済的な余裕がなく、減額や分割払いを申し出る可能性があるでしょう。
夫の不倫相手に対して慰謝料を請求するのであれば、不貞行為の証拠を押さえておきましょう。不貞行為の証拠は自分で集めることも可能ですが、法律に抵触する恐れや過度なストレスを覚える可能性があります。
探偵に依頼することで、精神的な負担を軽減できるだけでなく、法律に配慮して証拠を収集可能です。