旦那の浮気相手が妊娠したかもしれない場合は、慌てずに冷静に対処することが大切です。妊娠が浮気相手の虚言である可能性もあるため、まずは、本当に妊娠しているのかを確認しましょう。妊娠中のDNA鑑定で、本当に旦那と浮気相手の子どもであるかどうかの判定もしておくと確実です。
この記事では、旦那が浮気相手が妊娠した場合の対処法について詳しく解説します。
- 旦那の浮気相手が妊娠したら確認すべきこと
- 浮気相手への対応と注意点
- 浮気相手の妊娠を理由に離婚・慰謝料請求する方法
旦那の浮気相手が妊娠したらまず確認すべきこと

旦那の浮気相手・不倫相手が妊娠したら、まず確認すべきことがあります。
- 本当に妊娠しているのか
- 産むのか産まないのか
何もせずに手をこまねいていると、本当に妊娠している場合、妊娠週数はどんどん進んでいきます。妊娠週数が進めば中絶という選択ができなくなることもあるため、すぐに上記を確認しましょう。
本当に妊娠しているのか
浮気相手が妊娠を主張しているとしても、事実かどうかは分かりません。月経が遅れていることを「妊娠した」と勘違いして慌てているだけかもしれません。また、旦那と妻を離婚させるために、妊娠したと嘘をついている可能性もあるでしょう。
浮気相手から妊娠している事実を告げられたら、まずは、本当に妊娠しているのかを確認する必要があります。
一緒に産婦人科へ
浮気相手の主張や、妊娠検査薬の陽性反応を見せられただけで妊娠を信じるのは早計です。浮気相手の妊娠を確認するためには、産婦人科を受診することを促して同行しましょう。旦那の浮気相手と話したり、一緒に産婦人科に行くのは気が重いかもしれませんが、事実をはっきりさせることで次にやるべきことも見えてきます。
DNA鑑定は妊娠7週目頃から可能
妊娠が確かなものであったなら、次は妊娠したのが本当に旦那の子供かどうかを確認しましょう。一般的に、妊娠7週~10週目からDNA出生前親子鑑定(NIPPT)が可能です。検査費用は15万~20万程度が相場で、母体の血液を採取して検査します。(※1)
浮気相手の主張を鵜呑みにするのは危険です。親子関係をはっきりさせることで、のちのトラブルを回避できます。
浮気相手が疑われていると感じて抵抗感を示すようであれば、親子関係がはっきりしていることで、出生後の法的手続きがスムーズになること、権利の確保につながることを説明し、理解してもらいましょう。
鑑定結果が出るまでに2週間程度かかる場合もあるため、検査を実施している医療機関・企業探しや予約は早めに行いましょう。
産むのか産まないのか
浮気相手が旦那の子を妊娠しているという事実が確定したら、今度は、出産するのか中絶するのか、浮気相手の意志確認が必要です。妻の立場から考えれば、浮気相手が妊娠しただけでも精神的負担は大きいものです。今後のことを考えれば、できれば中絶してほしいと願うのは仕方のないことでしょう。
しかし、ここで浮気相手に中絶を強要することはできません。浮気相手としても、出産するか中絶するかは人生の大きな選択であるため、考える時間は必要です。ただし、中絶できる期間は22週未満(21週6日まで)と定められているため、限られた時間のなかでの選択になるのも事実です。
浮気相手が意地になってしまうことのないように、冷静に話し合いを進めましょう。大切なのは、どのような選択をするとしても、妊娠している女性が納得していること、旦那が妊娠に関わる負担を分担していく義務を怠らないことです。
産む場合に対処すべきこと:認知と養育費

浮気相手が出産を選択した場合は、認知と養育費について話し合う必要があります。
認知
認知とは、婚姻関係がなく生まれた子どもに対して、法律上の親子関係を認める手続きのことです。(※2)浮気相手が旦那の子どもを出産する場合、その子どもを認知するかどうかは重要な問題です。
認知によって生じる義務や権利は次のとおりです。
- 父親の戸籍に認知の事実が記載される(戸籍に入るわけではない)
- 母子の戸籍に父親の氏名が記載される
- 養育費の請求・支払いの義務
- 子どもが相続権を得る
- 父親を親権者にすることもできる(協議が必要)
養育費と相続権は、お金に関わる重要なポイントです。
金銭的な義務を負うことを回避するため、認知を拒否しようとするケースもあります。しかし、裁判所の手続きによって認知を請求されることもあるため、浮気相手が認知を望む場合、拒否することは難しいでしょう。
また、認知をしない場合でも、合意に基づき、養育費の支払いをする場合もあります。
養育費
婚外子の場合も、父親は子どもに対して扶養義務を負っています。そのため、浮気相手が旦那の子どもを出産し、育てていく場合には、養育費の支払いをしなければなりません。
養育費の金額は、旦那と浮気相手の話し合いによって、合意した金額を支払うことになるでしょう。合意にいたらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。
養育費の金額については個々の状況によって判断されるため、専門家に相談するのが確実です。
産まない場合に対処すべきこと:中絶費用と慰謝料

浮気相手が中絶を選択した場合には、中絶費用の支払いが必要になってくるでしょう。慰謝料についてはケースバイケースです。
中絶費用の負担
中絶費用は保険適用ではないため、全額を自己負担しなければなりません。
一般的な中絶費用の目安を確認しましょう。(※3)
妊娠週数 | 中絶費用 |
---|---|
初期中絶(〜11週6日) | 10〜20万円 |
中期中絶(12〜21週6日) | 30〜50万円 |
妊娠中期の中絶は、費用面でも身体面でも負担が高くなります。決断が遅くなるほど事態も深刻になるため、できたら初期のあいだに決断した方が負担を軽減できるでしょう。
中絶費用については、旦那が半分、あるいは全額を負担すると考えておきます。女性側が中絶というダメージを負うことを考えると、男性側が費用を支払うのが道理ではあるでしょう。
浮気相手への慰謝料
不倫・浮気で中絶をした場合、原則として浮気相手からは慰謝料請求できないことになっています。当事者が合意のもとに不倫関係になり、合意のもとに中絶しているのであれば、浮気相手の権利が侵害されたことにはならないためです。
ただし、例外として、次のような場合は浮気相手側から慰謝料請求をされることがあります。
- 合意のない性行為によって妊娠した場合
- 避妊しているとだまされて妊娠した場合
- 強要・脅迫などにより中絶させられた場合
- 妊娠や中絶に対する配慮を怠ったとみなされる場合
浮気相手が合意なく妊娠する状況であった場合や中絶を強要された場合は、慰謝料請求が可能です。また、旦那が母体の身体的・精神的苦痛や経済的負担に対して、しかるべきサポートや分担によって配慮する義務を怠った場合には、浮気相手に対して慰謝料を支払わなければならないこともあります。
浮気相手への慰謝料の支払いが必要かどうかは状況によって異なるため、自分たちのケースはどうであるか確認が必要です。
妻が慰謝料請求する場合

妻は、旦那の浮気や浮気相手の妊娠によって、精神的苦痛や夫婦生活に害を与えられたことに対して慰謝料を請求できます。
旦那と浮気相手の双方に請求できる
慰謝料は浮気をした旦那と浮気相手の女性の双方に請求できます。彼らには共同不法行為の責任があるためです。
ただし、双方に請求できるからといって、慰謝料を二重取りすることはできません。受け取れる慰謝料の総額は、片方に請求した場合と同じ額になります。
可⚪︎ | 不可× |
---|---|
【受取総額100万円】夫から:50万円浮気相手から:50万円 | 【受取総額100万円】夫から:100万円浮気相手から:100万円 →二重取りはできない |
【受取総額100万円】夫から:100万円浮気相手から:0円 |
例えば、慰謝料の総額が100万円の場合、旦那と浮気相手から合計100万円の慰謝料を受け取れます。旦那から100万円、浮気相手からも100万円という受け取り方はできません。
慰謝料の相場
浮気・不倫による慰謝料の相場は、50万〜300万円程度です。慰謝料の金額は、婚姻関係への影響度、不倫期間、不倫の悪質性、夫婦関係などを総合的に見て判断されます。
浮気・不倫の影響で離婚した場合には、慰謝料は高額になる傾向です。
婚姻関係への影響 | 慰謝料の相場 |
---|---|
離婚した場合 | 200万〜300万円 |
離婚しなかった場合 | 50万〜100万円 |
一般的に、慰謝料が高額になるケースと定額になるケースは次のとおりです。
【慰謝料が高額になる場合】
- 浮気が原因で離婚
- 浮気が原因で別居
- 不倫期間が長い
- 婚姻期間が長い
- 未成年の子どもがいる
【慰謝料が低額になる場合】
- 浮気が原因で離婚していない
- 浮気が原因で別居していない
- 不倫期間が短い
- 子どもがいない
- 婚姻期間が短い
慰謝料を請求できないこともある
浮気・不倫が発覚しても、慰謝料を請求できないこともあります。
次のような場合は、慰謝料を請求できない可能性があります。
- 不貞行為の証拠がない
- 浮気相手に故意・過失がない
- 浮気の前にすでに婚姻関係が破綻していた場合
- 時効が成立している
例えば、浮気が始まった時点で、すでに別居状態のように婚姻関係が破綻していた場合には、慰謝料請求が認められない可能性が高いでしょう。
旦那と離婚する場合

浮気相手を妊娠させた旦那を許すことは難しいでしょう。新しい人生を歩むために旦那と離婚することも選択肢の一つです。
明白に不貞行為がある場合、次のどの形式でも離婚することは可能です。
- 協議離婚
- 離婚調停
- 離婚裁判
協議離婚をするのなら、離婚協議書で次のような事項を書面にします。
- 離婚すること
- 財産分与
- 慰謝料
- 年金分割
- 清算条項
- 親権
- 養育費
- 面会交流
浮気相手を妊娠させたという事実は、精神的苦痛の大きさを配慮してもらえる可能性があるため、財産分与などを有利に進められるかもしれません。離婚後の生活を安定させるためにも、経済的な部分は妥協せずに話し合うことが重要です。
慰謝料請求も離婚も証拠が必要
慰謝料請求や離婚をするためには、不貞行為の事実を証明できる証拠が必要です。
決定的証拠とは

浮気相手が旦那の子どもを妊娠しているのが事実だとしても、浮気の客観的な証拠がなければ法的な場で浮気が認められることはありません。
離婚・慰謝料請求に必要なのは、旦那と浮気相手のあいだに不貞行為(肉体関係)があると立証できる証拠です。(※4)また、浮気相手が旦那の子どもを妊娠している場合には、その事実が分かる証拠も必要です。
例えば、次のような証拠が必要でしょう。
- 2人がラブホテルに出入りする鮮明な写真
- 性行為が分かる画像
- 性行為があると分かるLINEなどのメッセージ
- 不倫関係を認めている音声
- 産婦人科の診断書やエコー写真
- DNA鑑定の結果
妊娠の証拠としては、浮気相手と産婦人科を受診した際に、妊娠を証明できる書類などを確保しておきます。
決定的証拠入手のためには探偵に依頼しよう
浮気相手が旦那の子どもを妊娠しているのであれば、不貞行為があることは客観的にも分かります。しかし、不倫の状況や悪質性を客観的に示すためには、前述したような不貞行為の証拠が必要になってくるでしょう。
決定的な証拠を自力で集めることには無理があるため、探偵に依頼するのがおすすめです。例えば、ラブホテルに出入りする写真などは、当事者の顔が鮮明に認識できるものでなければなりません。そのため、自力でバレることなく、合法的に証拠を入手するのは困難を極めるでしょう。
探偵であれば、専門知識と独自スキルを備えているため、法的な場で有効な証拠を効率的に入手できます。また、法的なステージへ進む際のサポートも得られるため、1人で対処が難しい場面にも心強いことでしょう。
旦那の浮気相手が妊娠した場合に注意すべきこと
旦那の浮気相手が妊娠した場合、事態をこじらせないために、次のことに注意しましょう。
- 出産・中絶の判断を強要できない
- 誠実に対応する
- 話し合いは迅速に
最低限、上記の3つに気をつけ、できるだけ冷静に対処していく必要があります。
出産か中絶かの判断を強要できない
浮気・不倫によって妊娠したとしても、浮気相手の意志を尊重する必要があります。浮気相手が旦那の子どもを出産するという事態には、養育費などの不安もあり、できることなら中絶を選択してほしいと思うこともあるかもしれません。
しかし、道徳的見地からも、妊娠している女性に中絶を強要することはできません。中絶する場合も、出産する場合も、浮気相手に納得してもらうことが大切です。
誠実に対応する

旦那の浮気相手が妊娠したというのは、受けとめることが難しい事実です。それでも、次のような対応はNGです。
- 音信不通になる
- サポートしない
- 費用を負担しない
不誠実な対応をしたばかりに、事態が悪化することも考えられます。
音信不通でほったらかしにしてしまうと、浮気相手がストレスで精神疾患になったり、不当な扱いに意を唱えて慰謝料を請求してくる可能性もあります。実際に浮気相手のサポートをするのが旦那であるとしても、旦那が誠実に対応するよう妻も目を光らせておきましょう。
話し合いは迅速に
旦那の浮気相手には会うのも嫌かもしれませんが、産む・産まないについての話し合いは1日も早く始める方がよいでしょう。前述したように、中絶できるのは21週6日までです。また、妊娠中期になってしまうと、中絶による負担が大きくなってしまいます。
ショックから話し合いを先延ばしにしてしまいがちですが、中絶という選択肢を失う前に話し合いを始めることが大切です。また、出産すると決めた場合も、認知や養育費の問題を話し合っていかなければなりません。
分からないことは専門家に相談しながら、必要な話し合いをできるだけ迅速に進めていくことが大切です。
旦那の浮気相手の妊娠が発覚したら確認と対処をすぐ行う
旦那の浮気相手の妊娠が発覚したら、事実確認と対処を急ぐ必要があります。妊娠期間は待ったなしで進んでいくため、まず、産む・産まないの選択ができる期限が迫っています。
離婚、慰謝料、養育費など、対処すべき課題は多く、妻が1人で対処していくのはとても困難なことでしょう。証拠を抑えて、話し合いをスムーズに行うためにも、探偵事務所の無料相談を利用するのもひとつの方法です。第三者に一緒に対処してもらうことで、少しでも前を向くきっかけが見つかるかもしれません。