浮気調査での違法行為とは?自分で行うリスクや注意点を解説

浮気調査での違法行為とは?自分で行うリスクや注意点を解説

パートナーが浮気をしているかもと思った際、浮気調査を実施してみましょう。パートナーの浮気調査は自分で実施できます。しかし自分で実施する浮気調査には、場合によっては違法行為にあたる可能性があるなどさまざまなリスクをはらんでいます。

この記事では、浮気調査を自分で行うリスクや抵触しかねない法律などを解説します。

この記事を読んでわかること
  • 自力での浮気調査で注意すべき法律と違法性の高い行為
  • 違法にならない浮気調査方法
  • 探偵の浮気調査が違法にならない理由

自分で行う浮気調査が高リスクな2つの理由

自分で行う浮気調査が高リスクな2つの理由

浮気調査は自分でも行えます。しかし、自分で浮気調査を実施するとなった場合、高いリスクを意識しなければなりません。

自分で行う浮気調査が高リスクな理由は次のとおりです。

  • 違法行為にあたる場合がある
  • 相手にバレて証拠集めが困難になる

どちらも浮気調査を続けられなくなるため、十分な注意を払いましょう。

違法行為にあたる場合がある

自分で行う浮気調査は違法行為にあたる可能性があります。浮気調査で証拠を集めたものの違法行為であることが発覚した場合、証拠として効力が認められない可能性があります。

また、違法行為で証拠を集めた場合、パートナーやパートナーの浮気相手から訴えられてしまうかもしれません

せっかく証拠を集めたとしても証拠としての効力が認められない、訴訟を起こされるといったリスクを考えると、自分で浮気調査を行うのは避けましょう。

相手にバレて証拠集めが困難になる

自分で行う浮気調査は相手にバレてしまう可能性もあります。相手に浮気調査がバレてしまうと、当然警戒心を持たれるでしょう。

警戒心が高まると、相手が過去の画像など証拠を隠滅する可能性もあります。その結果、証拠集めが困難になってしまいます

また、決定的な証拠を押さえる前に浮気調査がバレてしまうと、パートナーとの関係が悪化しかねません。

浮気の証拠を集められなくなると、浮気を理由とした離婚や慰謝料請求が難航するだけでなく、相手に浮気を認めさせて話し合うこともままならなくなるでしょう。

自力での浮気調査で注意すべき法律と違法性の高い行為

自力で浮気調査する際は、法律と違法性について十分な理解を深めておきましょう。自力での浮気調査において注意すべき法律は次のとおりです。

  • プライバシーの侵害
  • 不正アクセス禁止法
  • ストーカー規制法
  • 器物損壊等
  • 電子計算機損壊等業務妨害罪
  • 不正競争防止法違反等
  • 不正指令電磁的記録供用罪
  • 住居侵入罪

それぞれに浮気調査で該当する違法行為が存在しています。

プライバシーの侵害

日本では、すべての人にプライバシー権が認められています。プライバシー権とは個人の情報をはじめとした、私生活での情報を守るための権利です。

このようなプライバシー権を侵害することはプライバシーの侵害です。プライバシーの侵害は刑法で罰することはできませんが、民事上の責任を問うことは可能です。民法で定められた不法行為を理由に損害賠償請求が認められます

該当する違法行為

自分で行う浮気調査においてプライバシーの侵害に当てはまるのは次のような行為です。

  • パートナーと浮気相手との通話履歴を調べようとスマホのロックを無断で解除した
  • パートナーの行動を把握しようとカードタイプの交通系ICの履歴を無断で見た

パートナーの通話履歴を調べるためにスマホのロックを無断で解除することは、民法における不法行為にあたる可能性があります。同様に、パートナーが持つカードタイプの交通系ICの履歴を無断で見ることも不法行為にあたります。

不正アクセス禁止法

不正アクセス禁止法

不正アクセス禁止法とは、不正アクセス行為そのものや不正アクセス行為につながる情報(識別符号)の取得、保管、不正アクセス禁止法を助長するような行為が当てはまります。

不正アクセス禁止法における罰則はどのような行為を行ったかによって次のとおり異なります。(※1

  • 不正アクセス行為:3年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 不正アクセス行為を助長する行為:1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 他人の識別符号を不正に取得・保管・入力要求する行為:1年以下の懲役または50万円以下の罰金

不正アクセス禁止法のなかでも、不正アクセス行為そのものはもっとも罪が重たくなっています。不正アクセス行為につながる他人の情報を不正に取得、保管するといった行為であっても、懲役のリスクがあるため注意が必要です。

該当する違法行為

不正アクセス禁止法に当てはまる可能性があるのは、次のような行為です。

  • アクセス制限を無断で解除してLINEやメールの履歴を調べる
  • パスワード設定を無断で解除してメールの履歴を調べる
  • アクセス規制やパスワード設定をかいくぐり、パートナーのSNSアカウントを調べる
  • パスワード設定を無断で解除して電話の履歴を調べる
  • 浮気調査アプリをパートナーに無断でインストールすると

なお、アプリタイプの交通系ICのパスワードを無断で解除する、アクセス制限を避けて出会い系サイトの登録状況を調べるといった行為も違法にあたりかねません。

ストーカー規制法

ストーカー規制法とは、つきまといや待ち伏せといったストーカー行為を規制する法律で、2000年に成立後2021年に改正され、つきまとい、待ち伏せなどの行為だけでなく電話、電子メール、SNSメッセージを連続して送るなどの行為も規制対象となっています。(※2

GPSなどを用いて相手の位置情報を無断で取得する行為も規制対象になっているため、浮気調査の方法によっては抵触する恐れがあります。(※3

ストーカー規制法では禁止命令等に違反してストーカー行為を続けると、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科せられます。(※4

該当する違法行為

浮気調査において、ストーカー規制法に抵触しかねない行為は以下のとおりです。

  • 自分でパートナーや浮気相手を尾行する
  • パートナーの荷物にGPS発信器を付けて、位置情報を把握する

特に自分で浮気相手を尾行した場合、相手の敷地内に無断で侵入してしまうといった他の不法行為につながりかねません。

器物損壊等

器物損壊等は他人の所有物をわざと壊すなどの行為が当てはまります。例えば、酔っぱらってお店の看板を壊すといった行為が器物損壊です。

器物損壊を罰するのは器物損壊罪です。器物損壊罪は物を壊すだけでなく、物を使用できなくする行為も該当します。例えば、物を隠す、壁に落書きをするといった行為も器物損壊罪と問われかねません。

器物損壊罪の罰則は3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料です。(※5

該当する違法行為

浮気調査で器物損壊罪に問われる違法行為は次のとおりです。

  • 浮気相手の車に盗聴器を取り付ける
  • パートナーのスマホのロックを解除するためにウイルスを入れる

器物損壊罪は、スマホやパソコンにウイルスを入れて使えなくするといった行為も対象になるケースがあります。

電子計算機損壊等業務妨害罪

電子計算機損壊等業務妨害罪

電子計算機損壊等業務妨害罪における電子計算機とは、パソコンをはじめとしたコンピューターを指します。ウイルスによってコンピュータを使えなくする、不正なプログラムをインストールさせるといった行為は、電子計算機損壊等業務妨害罪に問われる可能性があるでしょう。

電子計算機損壊等業務妨害罪に抵触した場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられてしまいます。(※6

該当する違法行為

自分で浮気調査をする場合、次のような調査方法は電子計算機損壊等業務妨害罪に当てはまる可能性があります。

  • パートナーのパソコンやスマートフォンに不正な指示を出すアプリをインストールして
  • パートナーのパソコンやスマートフォンを使えないようにした

自分が安全なアプリと思ってパートナーのスマートフォンにインストールしたとしても、不正なアプリの可能性もあるため、無断でのインストールは避けましょう。

不正競争防止法違反等

不正競争防止法違反等は、事業者同士の公正な取り引き、国際的な約束の適切な実施のために設けられています。例えば勤務先の情報を持ち出して他人に引き渡すといった行為は、不正競争防止法違反等に当たる可能性があるでしょう。

不正競争防止法違反等に抵触した場合、個人であれば懲役5年以下または罰金500万円が科せられます。(※7

該当する違法行為

浮気調査において不正競争防止法違反に該当する可能性がある行為は次のとおりです。

  • 身分を偽り企業からパートナーの浮気相手の情報を引き出した

例えば警察官を装い情報を聞き出すといった行為は、個人ではなく探偵であっても認められません。

不正指令電磁的記録供用罪

不正指令電磁的記録供用罪

不正指令電磁的記録供用罪とは、正当な理由がないにも関わらず、コンピューターウイルスを感染させるといった行為が該当します。例えばコンピュータウイルスを含んだデータを電子メールに添付して送信した場合、不正指令電磁的記録供用罪に当てはまります。

不正指令電磁的記録供用罪に抵触した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。(※8

該当する違法行為

浮気調査において不正指令電磁的記録供用罪に問われかねないのは次のような方法です。

  • パートナーの許可なくスマートフォンに浮気調査アプリをインストールする

また、相手のスマートフォンを遠隔操作できるアプリをインストールするといった行為も、不正指令電磁的記録供用罪に問われる可能性があります。

住居侵入罪

住居侵入罪は正当な理由がないにも関わらず、他人の住居に無断で侵入する行為です。住居侵入罪が適用された場合、3年以下の懲役もしくは10万円以下の罰金に科せられます。(※9

一般的に自宅以外に無断で侵入する行為は住居侵入罪にあてはまる恐れがあります。

該当する違法行為

浮気調査において住居侵入罪に当てはまる行為は次のとおりです。

  • パートナーの浮気相手の自宅に無断で入り込む

自分でパートナーの浮気相手を尾行する場合、相手の自宅や敷地内に無断で入り込んでしまうケースがあります。無断で入り込んだ場合、住居侵入罪に問われかねません。

違法にならない浮気調査方法

浮気調査は調査方法によっては違法にならない可能性があります。違法にならない浮気調査として以下が挙げられます。

  • 開封済みのクレジットカードの明細を調べる
  • かばんや財布の中身を調べる
  • 手帳を調べる
  • 車内を調べる
  • 車の走行履歴を確認する
  • カーナビ・ドライブレコーダーを確認する
  • 探偵に依頼する

開封済みのクレジットカードの明細を調べる

開封済みのクレジットカードの明細を調べる

パートナーのクレジットカードの利用履歴のなかから、不審な明細があれば浮気の可能性が疑われます。パートナーのクレジットカードの利用履歴が自宅に郵送されるのであれば、明細を確認してみましょう。明細を確認する際は、開封済みであることがポイントです。婚姻関係にあっても相手宛ての手紙などを無断で開封するのは避けましょう

かばんや財布の中身を調べる

かばんや財布の中身を調べることも違法性は低い調査方法です。かばんや財布のなかに見覚えのない飲食店や買い物のレシートが入っている、コンドームが入っている、ラブホテルやシティホテルの会員証が入っているといった場合、浮気の可能性が疑われます。

手帳を調べる

パートナーが手帳を付けているのであれば、手帳を調べてみましょう。手帳には浮気相手と会う日程や、浮気相手との思い出などが記されている可能性があります。例えば同じ名前の相手が何日も記されているのであれば、浮気の可能性があるため、スマートフォンで撮影しておきましょう。

車内を調べる

パートナーの車の中を調べることで浮気の調査が可能です。例えばコンドームが落ちていた、普段行かない地域のレシートが落ちていたといった場合は浮気が疑われます。掃除を名目に車内を調べられるため、パートナーに疑われるリスクは少ないでしょう。

車の走行履歴を確認する

車にカーナビが取り付けられている場合、走行履歴を確認してみましょう。普段行かない場所を訪れている、ラブホテルで駐車しているといった履歴を見つけた場合、浮気の可能性が高いでしょう。

カーナビ・ドライブレコーダーを確認する

カーナビに登録された目的地から浮気調査は可能です。例えばラブホテルの住所が登録されている、デートスポットが登録されているといった場合は、浮気相手と訪れている可能性があるでしょう。

また、車内に搭載されているドライブレコーダーも浮気調査に効果的です。ドライブレコーダーには浮気相手が車に乗り込む様子やラブホテルに向かって行く様子などが捉えられていれば、浮気の証拠として期待できます。

探偵に依頼する

法律に抵触せずに浮気調査を実施するのであれば探偵への依頼を検討してみましょう。探偵であれば経験をもとに法律に抵触しない方法で浮気調査を実施してくれます。自力でできる浮気調査だけでは浮気の確証が得られない場合、探偵への依頼がおすすめです。

探偵の浮気調査が違法にならない理由

探偵の浮気調査が違法にならない理由

探偵による浮気調査が違法にならない理由は次のとおりです。

  • 探偵の尾行・張り込みは探偵業法で認められている
  • 犯罪や差別行為につながる依頼は受けない
  • プロの知見で法律に抵触しない方法で調査を行える
  • 強引な調査を行う探偵に要注意

自分ひとりの浮気調査に難しさを感じた場合は探偵に相談してみましょう。

探偵の尾行・張り込みは探偵業法で認められている

探偵業法では探偵が依頼を受けた場合、特定の相手について聞き込みや尾行をすることを認めています。そのため、探偵業の届出を提出している探偵であれば、尾行や張り込みによる調査が可能です。

犯罪や差別行為につながる依頼は受けない

探偵はすべての依頼を受けるわけではありません。犯罪や差別行為といった法律やモラルに反する依頼は受け付けていません。そのため、探偵に依頼できるのは法律に抵触しない案件のみです。

プロの知見で法律に抵触しない方法で調査を行える

探偵はさまざまな調査に対応してきています。そのため、プロの知見に基づいて法律に抵触しない方法で調査をしてくれます。法律に抵触しない方法であっても、精度の高い情報収集に努めてくれるでしょう。

強引な調査を行う探偵に要注意

強引な調査を行う探偵に要注意

すべての探偵が法律を意識した調査を実施するわけではありません。なかには身分を偽って情報を得ようとする探偵もいるでしょう。また、執拗な尾行によって相手にバレてしまうというケースもあります。このように強引な調査を行う探偵には注意が必要です。

強引な調査を行う探偵かどうかは、実績を確認するのがおすすめです。実績が豊富な探偵であれば適切な調査が期待できるでしょう。

自分で行う浮気調査の違法性について理解しておこう

浮気調査は自分で行うことが可能です。自分で行う浮気調査は違法行為にあたる場合や相手にバレて証拠集めが困難になるといったリスクがあります。

自分で行う浮気調査ではプライバシーの侵害や不正アクセス禁止法、ストーカー規制法などに抵触しかねません。法律に抵触しない調査を進めるためにも探偵への依頼を検討しましょう。探偵であれば法律に配慮した調査を進めてくれます。