浮気を理由にパートナーと離婚したり、慰謝料を請求したりする場合は、証拠を確保しておくことが重要です。浮気現場の写真や動画、浮気を示すようなメールのやり取りなどがあれば、裁判や調停で証拠として役立つため、しっかりと確保しましょう。
この記事では、浮気の証拠を集める方法や証拠が見つかりやすい場所を解説します。自分で証拠を探すときの注意点についても解説しますので、有力な証拠を見つけたい場合はぜひ参考にしてください。
浮気の証拠を集めることは重要?
浮気の証拠を集めることはとても重要です。離婚したい場合でも、離婚したくない場合でも、相手が浮気した証拠を確保しておけば、訴訟や話し合いを有利に進められるでしょう。
浮気の証拠があれば裁判での離婚が認められやすい

証拠がなくても、パートナーが浮気したことを理由に離婚したり、慰謝料を請求したりすることは可能です。しかし、パートナーが浮気したことを認めない場合、それ以上の追求ができず、裁判で負けたり慰謝料を受け取れなかったりする可能性もあります。最悪の場合、離婚できないケースもあるため、浮気の証拠を集めておくことは重要です。
一般的には肉体関係を伴う浮気があった場合に、離婚や慰謝料請求が認められる可能性が高いため、その事実を示す証拠を集めましょう。肉体関係があったことを直接的に示すものではなくても、複数の証拠があれば、裁判を有利に進められるケースもあります。
また、浮気を証明できればパートナーは有責配偶者となり、自分から離婚の請求をすることができなくなります。離婚したくない場合でも、浮気の証拠を集めておくとよいでしょう。
浮気の証拠を集めるべき場面
パートナーに以下のような変化が見られた場合、浮気をしているかもしれません。
- 帰りが遅くなった
- 連絡の取れない時間が増えた
- 会話が減った
- セックスレスになった
- スマホのパスワードを変えた
- こそこそとスマホを触る時間が増えた
- 身だしなみに気をつかうようになった
- 香水を使い始めた
気になる項目が多い場合は、浮気をしている可能性もあります。疑いが強くなってきたら、証拠集めを始めるとよいでしょう。
浮気の証拠を集めるには?
実際に浮気の証拠を集める場合、まずはパートナーのスマホやSNSなどをチェックしてみるとよいでしょう。次章で解説するような方法を試してみると、証拠が見つかるかもしれません。自分だけで調査をするのが難しい場合は、浮気調査を得意とする探偵などに依頼するのがおすすめです。
自分で浮気や不倫の証拠を集める方法
自分で浮気や不倫の証拠を集めるなら、以下のような方法を試してみましょう。前述のとおり、できるだけ肉体関係を証明できるような証拠を集めることが重要です。
1.写真・動画を集める

写真や動画は、浮気を証明するための有力な証拠です。パートナーが浮気相手と密会している場面を撮影すれば、裁判を有利に進められるでしょう。とくに、ラブホテルに出入りする様子や、実際に性行為をしている様子を撮影できれば、肉体関係があったことを証明できます。
また、浮気相手と旅行している写真や、パジャマを着て同じ部屋にいる写真などがあれば、肉体関係の疑いが強くなります。2人で歩いている場面や食事をしている場面だけでは証拠として弱いのですが、親密な関係であることは証明できるため、しっかりと確保しておきましょう。
2.浮気相手との会話を録音する
浮気相手との会話を録音するのもよい方法です。性行為中やその前後の会話を録音できれば、強力な証拠として役立つでしょう。肉体関係を示唆するような会話や、2人で旅行に行ったときの会話なども証拠として役立ちます。
自宅や夫婦で所有している車が密会現場となっている可能性がある場合は、ボイスレコーダーや小型カメラを設置してみましょう。ただし、他人の家や車に設置することは違法行為に該当する可能性が高いため、避けるべきです。
3.SNSやブログを調べる
パートナーのSNSやブログを調べることも重要です。SNSの投稿やブログの記事のなかに、浮気を思わせるような内容がないか調べてみましょう。
もちろん、パートナーも浮気がバレないように警戒しているため、直接的な証拠を発見できるとは限りませんが、普段は行かないデートスポットの写真などが見つかるケースもあります。弱い証拠であっても、複数あることで裁判が有利に進む可能性もあるため、できるだけ多くの証拠を探すことが重要です。
4.スマホの通話履歴やメールを調べる
スマホの通話履歴やメールをチェックすることで、浮気の証拠を得られるケースもあります。特定の異性と繰り返し通話している場合は、浮気をしている可能性が高いでしょう。ただし、浮気がバレないよう、パートナーが通話履歴を削除しているかもしれません。
また、メールやLINEのやり取りも証拠として有効です。とくに肉体関係があったことを示唆する内容が記載されていれば、パートナーを追い詰める強い証拠となるでしょう。ただし、「昨日は楽しかったね」「また行きましょう」といった程度の内容では肉体関係を証明することは難しく、証拠としては弱くなってしまいます。
5.行動履歴を調べる

パートナーの行動履歴も浮気の証拠として役立ちます。たとえば、頻繁にラブホテルに行っている、浮気相手の家に通っている、といった行動履歴を把握できれば強力な証拠となるでしょう。カーナビやドライブレコーダーに履歴が残っている可能性もあるため、気になる場合は調べてみてください。
また、ラブホテルやレストランの領収書から行動が判明するケースもあります。浮気相手と行ったことを証明できないという懸念はありますが、浮気の疑いを強める証拠にはなるでしょう。パートナーの部屋や車で領収書などを発見したときは、しっかりと保管しておくことが大切です。
6.日記やメモを調べる
日記やメモのなかに浮気の証拠が残っている場合もあります。密会場所やデートの日時などが記載されている可能性もあるため、浮気が疑われるときは調べてみるとよいでしょう。
また、浮気されたことや浮気調査をしたことについて、自分のメモに記載しておくのもよい方法です。見つけた証拠やパートナーの行動履歴、自分が受けた精神的苦痛などを書いておきましょう。もちろん、自分のメモだけで浮気を証明できるわけではありませんが、証拠として認められるケースもあります。
7.友人や知人から話を聞く
友人や知人から話を聞くことで、浮気の証拠を掴めることもあるでしょう。 は、裁判でも重要視される傾向があります。浮気の事実を知っていそうな人がいる場合は、話を聞いてみるとよいでしょう。
話を聞くときは、浮気相手の情報や密会の日時など、できるだけ具体的な情報を聞き出すことが重要です。相手の許可を取ったうえでボイスレコーダーで録音するなど、記録を残しておけば、その後の調査や話し合いで役立ちます。
8.クレジットカードの明細書を調べる
クレジットカードの明細書を調べることで、浮気の証拠が見つかることもあります。明細書のなかに、ラブホテルやデートスポットの費用が記載されていれば、浮気の有力な証拠となるでしょう。
普段は行かない飲食店や、浮気相手の家の近くにあるコンビニなどを利用していたことを証明できるケースもあります。すべての行為が浮気と結びつくわけではありませんが、不自然な行動から浮気の疑いを強めることは可能です。
9.プレゼントや手紙を調べる

パートナーが見慣れないアクセサリーや小物などを持っていた場合、浮気相手からのプレゼントかもしれません。プレゼントだけで浮気を決定づけることはできませんが、単なる友人へのプレゼントとしては高額すぎるものや、親密なメッセージが添えられているものなどは、浮気の証拠となるでしょう。
10.持ち物を調べる
浮気の証拠を集めるときは、パートナーの持ち物を調べてみることも重要です。鞄の中から避妊具が出てきたり、財布の中からラブホテルのレシートが見つかったりするかもしれません。浮気相手を特定することはできませんが、少なくとも自分とではないことがわかれば、浮気をしていた証拠となります。
11.子どもの血液型やDNAを調べる
稀なケースかもしれませんが、自分の子どもが、実は妻と浮気相手との子どもだったという可能性もあります。男性が浮気された場合に限られますが、疑念が生じたときは、子どもの血液型やDNAを調べてみましょう。他人の子どもだと判明したときは、慰謝料請求や離婚が認められやすくなります。
12.浮気を認めた発言を残しておく
パートナーが浮気を認めた発言や書面は、決定的な証拠です。ボイスレコーダーで録音したり、謝罪文を作成させたりして保管しておきましょう。
記録を残す際は、単に浮気したという事実だけではなく、密会場所や日時などを具体的にしておくことも重要です。また、脅迫によって作成された記録ではないことを示すために、第三者に立ち会ってもらうとよいでしょう。
浮気や不倫の証拠が見つかりやすい場所
浮気や不倫の証拠が見つかりやすい場所は、以下のとおりです。
- パートナーの部屋
- 車の中
- スマホの中
- 鞄や財布の中
どのような証拠が見つかるのか、確認しておきましょう。
1.パートナーの部屋

パートナーの部屋には、さまざまな浮気の証拠が隠されている可能性があります。浮気相手と行ったラブホテルの領収書や、レストランのレシートなどが見つかるケースもあるでしょう。浮気相手からもらったプレゼントが見つかるかもしれません。
すでに処理されていることもありますが、ゴミ箱の中やポケットの中などに残っている可能性もあります。パートナーが出かけているときや掃除のために入室するときなど、バレにくいタイミングで探してみてください。
2.車の中
パートナーの車の中から浮気の証拠が見つかることもあります。ラブホテルや浮気相手の家に行くと浮気がバレると考え、車の中で密会することも多いからです。
見慣れない小物が落ちていたり、座席に香水の匂いが残っていたりするケースもあるでしょう。前述のとおり、カーナビやドライブレコーダーの履歴から、浮気の証拠が見つかるかもしれません。パートナーの車に乗る機会があれば、証拠を探してみましょう。
3.スマホの中
パートナーのスマホの中は、証拠が見つかりやすい場所のひとつです。LINEやメールのやり取りから、肉体関係を伴う浮気の証拠が見つかるケースもあるでしょう。スマホに保存されていた写真や動画から、浮気を証明できる可能性もあります。
パートナーが急にスマホを隠すようになった場合、浮気の証拠が入っている可能性もあるため、調べてみる価値はあるでしょう。ただし、IDやパスワードなどを不正に入手し、相手の許可なくメールのやり取りや保存されている写真を盗み見ると、不正アクセス禁止法に抵触する可能性があります。配偶者のスマホであっても法律が適用され、1年以下の懲役や50万円以下の罰金が科せられるケースもあるため注意しなければなりません。(※1)
4.鞄や財布の中
鞄や財布の中から、浮気の証拠が出てくることもあります。自分の部屋に置いておくとバレると考え、普段持ち歩いているものの中に隠している可能性もあります。避妊具やラブホテルのレシートなどが見つかるケースもあるため、調べてみましょう。
浮気の証拠を集めるときの注意点
浮気の証拠を集めるときは、パートナーとの信頼関係が崩れることや、違法行為を避けて調査することに注意しましょう。それぞれの注意点の詳細は以下のとおりです。
1.パートナーとの信頼関係が崩れる可能性がある
浮気の証拠を探していることがパートナーにバレると、信頼関係が崩れてしまうため注意しなければなりません。仮に浮気の事実はなく、ただの思い込みであった場合、その後の夫婦生活が破綻してしまう可能性もあります。浮気の調査を行うなら、関係性が悪化するリスクも考え、慎重に行動することが大切です。
また、浮気の調査をしていることを知られると、パートナーが警戒して証拠集めが難しくなってしまいます。パートナーの警戒心が強くなることを避けるため、大胆な行動を取りすぎないように注意しましょう。
2.違法な方法で入手した証拠は無効となる

違法な方法で入手した証拠は、裁判で無効と判断されます。せっかく決定的な浮気の証拠を確保しても、裁判で役に立たなければ意味がありません。
前述のとおり、相手の許可なくスマートフォンのロックを解除して情報を盗み見る行為は、不正アクセス禁止法違反と見なされます。また、浮気相手の車や家に小型カメラやボイスレコーダーを設置すると、プライバシーの侵害に該当するでしょう。
3.複数の証拠を集める
裁判や話し合いを有利に進めるためには、複数の証拠が必要です。仮に弱い証拠であっても、複数の証拠が集まることで浮気を証明できるケースもあります。ここまで紹介したような音声データや写真、動画などは複数集めるようにしましょう。
4.証拠を捏造するのは避ける
浮気や不倫の証拠が見つからないからといって、捏造することは避けましょう。捏造された証拠を提出すると、慰謝料請求や離婚が認められなくなったり、自分が訴えられたりする可能性もあります。
また、デジタルデータは加工や改ざんを行いやすいため、証拠力が弱いと判断されるケースもあります。このような状況を避けるためにも、複数の証拠を集めることが重要です。
5.安易にパートナーに証拠を見せない
浮気の証拠を見つけたとしても、安易にパートナーに見せないようにしましょう。証拠をもとにパートナーを問い詰めたいだけであれば問題ありませんが、裁判による離婚や慰謝料請求を考えているなら慎重になるべきです。パートナーや浮気相手に証拠を見せると、証拠を隠滅される可能性もあります。本当に証拠を出すべきタイミングまで、しっかりと保管しておきましょう。
浮気の証拠写真を撮るときのポイント
浮気の証拠として写真を撮りたいと考えることもあるでしょう。証拠写真を撮るときのポイントは、以下のとおりです。
1.顔がはっきりと写るようにする

当然ですが、写真を撮るならパートナーや浮気相手の顔がはっきり写るようにしましょう。顔が写っていないと言い逃れされたり、証拠としての効力が弱くなったりします。できる限り、人物を特定できる角度から撮影しましょう。
2.日時がわかるようにする
写真を撮る場合、撮影した日時や場所がわかるように記録しておくことが重要です。また、1日だけではなく複数の日の写真を残しておけば、繰り返し会っていたことを証明できます。会っていた回数が多いほど、高額の慰謝料を受け取れる傾向があるため、可能であれば複数日の証拠写真を撮影しましょう。
3.多くの場面を撮る
できるだけ多くの場面を撮ることも大切です。たとえば、ラブホテルや浮気相手の家が密会場所になっていた場合、入るときだけではなく、出るときも撮影しましょう。また、レストランで食事をしている場面や2人で歩いている場面など、さまざまな場面を撮影しておけば、2人の関係性を証明しやすくなります。
自分で浮気の証拠を探すのが難しいときは?
自分で浮気の証拠を探すのが難しいときは、探偵や弁護士に相談するとよいでしょう。それぞれのポイントは以下のとおりです。
1.探偵に依頼する
浮気調査を得意とする探偵に依頼すれば、スムーズに証拠を集めることが可能です。プロの経験とノウハウをもとに、パートナーと浮気相手との関係性を示す強力な証拠を確保してくれるでしょう。
探偵は、探偵業法によって尾行や張り込みなどの調査を行うことが認められています。自分で行うと違法になるような調査も法律に従って実施できるため、パートナーの浮気を証明できる可能性が高まるでしょう。
探偵に依頼する際、すでに自分で集めた証拠がある場合は、提供しておくことで調査がスムーズに進みます。写真や音声データなど、曖昧な証拠であっても役立つ可能性があるため、忘れずに共有しておきましょう。
2.弁護士に相談する

証拠がなくて困っている場合や、証拠の有効性を判断できない場合は、弁護士に相談するとよいでしょう。写真や動画の証拠としての有効性を判断してもらえるだけではなく、証拠を集めるコツなどを教えてもらえるケースもあります。
また、パートナーとの交渉や慰謝料請求を代行してもらうことも可能です。裁判に関する手続きも行ってもらえるため、不安な場合は相談してみるとよいでしょう。
浮気の証拠を集めて裁判や話し合いを有利に進めよう!
今回は、自分で浮気の証拠を集める方法や、調査時の注意点などを解説しました。パートナーが浮気した証拠を確保しておけば、訴訟や話し合いを有利に進められます。パートナーの部屋や車から、浮気をしていた証拠が見つかる可能性もあるため探してみましょう。
ただし、自分で調査する場合は、違法な行為をしないよう注意しなければなりません。違法に入手した証拠は裁判で無効と判断されるだけではなく、自分が訴えられる可能性もあります。必要に応じて探偵に依頼するなど、正しい方法で調査を進めることが大切です。