音信不通の人を探す方法は、事件性が高いケースと低いケースで異なります。事件性が高い場合はまず警察に相談しましょう。
相手の家族に相談する、SNSやアプリを利用するなどがあります。迅速に解決したい場合は、探偵に依頼するのも1つの方法です。
この記事では、音信不通になってしまった人を探す7つの方法のほか、音信不通になる原因や音信不通になりやすい人の特徴などを解説します。
- 音信不通の人を探す具体的な7つの方法
- そもそもなぜ音信不通になってしまうのか?
- 音信不通の人を探す際の注意点
音信不通の人を探す7つの方法
令和5年の警察庁の資料によると、行方不明者の総数は約9万人です。届出受理から所在確認までの期間は受理当日がもっとも多く、約3万7,000人にのぼります。(※1)このデータからも、行方不明者を無事発見するためには、できるだけ早く捜索を始めることが重要なのが分かります。
ここでは、音信不通の人を探す方法を7つ紹介します。
事件性が高い場合は警察に相談する
事件性が高く、本人、あるいは本人の周囲に命の危険があると感じられる場合は、速やかに警察に相談しましょう。
例えば次のような場合は、自分で探すだけでなく、まずは警察に相談して行方不明者届を提出しましょう。
- 自殺を告知していなくなる
- 明らかに不審な状況で突然失踪する
ただし、成人の失踪については、警察が動いてくれるかは状況によります。行方不明者が一般家出人であると判断された場合、警察は積極的に捜索を行いません。
提出された行方不明者届をもとにデータベースに登録され、日常のパトロールや取り締まりなどで発見されることになるでしょう。
警察が本格的に捜索してくれるのは、特異行方不明者と判断した場合です。
特異行方不明者の条件とは
「行方不明者発見活動に関する規則」により、特異不明者に該当するのは次の条件です。
”一 殺人、誘拐等の犯罪により、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者二 少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者三 行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者四 遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者五 精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者六 病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの” 引用:e-Gov法令検索「行方 不明者発見活動に関する規則」第二条(定義) |
本人の意思ではなく、事件や事故などによって行方不明になったと考えられる場合や、命の危険がある場合、また、他人に害を与えるおそれがある場合、特異行方不明者と判断され、警察による捜索が開始されます。
行方不明者届の提出方法
行方不明者届とは、周囲の誰かがいなくなってしまった場合に、警察に捜査を依頼するための届出のことです。
提出のための一般的な手順や提出場所などは次のとおりです。
- 行方不明者についての情報をまとめておく
- 最寄りの警察署に行く
- 警察署で手続きをする
- 捜索活動の開始
提出場所 | 行方不明者の住所地を管轄する警察署行方不明者が直前まで居住していた住所を管轄する警察署 ※遠方などの事情がある場合には、届出人の最寄りの警察署でも可 |
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届出ができる人 | 親権者、後見人配偶者(事実婚を含む)監護する人福祉事務所の職員同居人、雇主など社会生活で密接な関係を有する人 |
持ち物 | 行方不明者の写真行方不明時の状況が分かる資料 |
行方不明者を公表されたくない場合は、届出をする際に意思表示をしましょう。また、行方不明者が帰ってきたり、行方が分かったりした場合には、届出をした警察署に連絡する必要があります。
家族や親族に連絡して確認する
音信不通の人の家族や親族を知っている場合は、連絡をとってみましょう。身内であれば、他人には明かさない本人の居場所を知っている可能性が高いです。
もし、家族の電話番号などが分からなくても、自宅を知っているのなら直接訪問するという方法もあります。ただし、いきなり訪問しても失礼のないよう、時間帯などに気をつかうことが大切です。
友人や知人に聞く
共通の友人・知人が連絡先を知っている可能性もあります。自分とは音信不通になっていても、共通の友人・知人のなかには、まだ相手とつながっている人がいるかもしれません。
また、連絡先まではわからなくても、今住んでいる場所や何をしているかなど、近況を知っている場合もあるでしょう。
近隣への聞き込みを行う
音信不通になっている人が住んでいた場所や、よく訪れていた場所などが分かる場合には、近隣に聞き込みを行うことで情報を得られるかもしれません。
次のような場所の近辺で情報を知っている人を探してみましょう。
- 以前の住所
- 本人が頻繁に通っていたお店
- 本人のお気に入りの場所
- 本人の思い出の場所
聞き込みを行う際には、できるだけ具体的に記憶を想起させる聞き方を工夫しましょう。ただ「この人を知りませんか?」ではなく、探している人が訪れていた時期や外見の特徴、雰囲気などを詳しく説明することがポイントです。
また、聞き込みをする際は、相手の警戒心を解くことが大切です。礼儀を忘れず、清潔感のある服装を心がけましょう。聞き込みをする時間帯も重要です。夜は相手の警戒心も高まるため、昼間に行うのが良いでしょう。
時間をおいて複数回足を運んでみるのもおすすめです。新しい情報が得られるかもしれません。
SNSやアプリを利用する
SNSを使って相手のアカウントを探し出す方法もあります。人探しに使えるSNSには次のようなものがあります。
- Facebook:本名で検索
- X(旧Twitter):趣味や投稿内容から探す
- Instagram:タグや投稿写真から探す
- LINE:相手が使いそうなIDを探す
本名で検索してもアカウントが出てこないようであれば、ニックネームや飼っているペットの名前などを組み合わせて検索し、割り出してみましょう。
また、X(旧Twitter)では、自分のアカウントを使用して人探しを呼びかけることもできます。X(旧Twitter)の利点は、その拡散性の高さです。
「#人探し」「#行方不明」「#拡散希望」などのタグづけをして、探したい相手の写真と情報を投稿してみましょう。X(旧Twitter)の投稿は、新しいものが上に表示されるため、何度も投稿して情報提供をお願いしてみましょう。
インターネットの人探し掲示板を利用する
インターネットで無料の人探し掲示板を利用する方法もあります。ただし、ネットの書き込みは真実ではないことが多いため、得られる情報の真偽に注意が必要です。
代表的な人探し掲示板には、次の6つがあります。
- 日本失踪者捜索協力機構 MPSジャパン(NPO)
- 日本行方不明者捜索・地域安全支援協会(NPO)
- 再会のためのサイト・いまどこ?青い糸、赤い糸
- 尋ね人(たずねびと)
- 人捜し掲示板
- サーチズ
日本失踪者捜索協力機構 MPSジャパン
「日本失踪者捜索協力機構 MPSジャパン」は、元刑事が代表理事を務めるNPO法人です。突然の失踪、生命に危険が生じる恐れがある家出などに対し、行方不明になった人の親族の相談に乗ったり、捜索に協力したりすることを目的に運営されています。
ただし、MPSジャパンにサポートしてもらうためには、警察に行方不明届を提出する必要があります。
住民票の除票や戸籍附票で確認する
住民票の除票や戸籍附票を閲覧できれば、現住所を確認できる可能性があります。住民票の除票には、住民登録している住所のほか、前住所と転出先住所も記載されています。音信不通になった本人が転出の手続きを行っていれば、転出先住所を知ることができるでしょう。
戸籍附票とは、本籍地で管理されている文書です。戸籍附票には、住所の変遷が全て記録されています。移転している人がきちんと住民票を移動させていれば、本籍地で戸籍附票を確認することによって移動履歴を追うことができるでしょう。
ただし、住民票の除票や戸籍附票の交付は誰でも申請できるわけではありません。本人
または本人と同一世帯の人、任意代理人(本人または同一世帯の人からの委任状が必要)、法定代理人(親権者や後見人など)のほか、正当な理由がある第三者に限られています。
詳しくは下記記事をご覧ください。
探偵に人探し調査を依頼する
探偵に人探し調査を依頼することもできます。より幅広い内容の調査に対応してくれるのが探偵事務所の利点です。警察が事件性がある場合だけ調査をするのに対し、探偵事務所は事件性がない私的な事情の人探しも行ってくれます。
次のような場合も、探偵事務所なら対応してくれるでしょう。
- 昔の恋人を探したい
- 生き別れてしまった肉親を探したい
- 恩師を探したい
また、プロならではの情報網とスキルを駆使して、迅速に調査を開始してくれるため、高い確率で音信不通の人を探し出してくれるでしょう。
音信不通の人を探す際の注意点
音信不通の人を探す際は、次の3点に注意しましょう。
- できるだけ早く捜索を始める
- 相手が探されたくない場合は諦める
- 違法行為にならないよう気をつける
以下で詳しく解説します。
できるだけ早く捜索を始める
音信不通の人を探すのであれば、すぐに捜索を始めることが大切です。「そのうち帰ってくるかもしれない」と手をこまねいて、数日過ごしてしまうことのないようにしましょう。
発見される行方不明者の人数は、届出が受理された当日が最も多く、1週間を過ぎると極端に少なくなります。(※1)早い段階で捜索を始めることで、発見率を上げられる可能性があるため、迅速な行動が鍵となります。
相手が探されたくない場合は諦める
音信不通になってしまった相手は、自分のことを探されたくないと思っている場合もあります。
例えば、次のような状況であれば、探し出して会いにいくのが迷惑になってしまうかもしれません。
- 新しい恋人ができたので元恋人との関わりを断ちたい
- 新しい環境で生き直したいため昔のつながりを断ちたい
- 夜逃げなど、今の自分の状況を知られたくない
探す側としては「どうしても会いたい」「心配でたまらない」という気持ちがあるでしょう。しかし、そっとしておいてほしい事情が相手にはあるのかもしれません。そういった場合には、探し出すことは諦め、相手の幸せを遠くからそっと願うだけにとどめましょう。
違法行為にならないよう気をつける
音信不通の人を探す際、とくに気を付けなければならないのが違法行為です。
次のような理由での人探しは民法上の不法行為となります。
- つきまとい(ストーカー)
- DV
- 悪質な嫌がらせ
また、自力で人探しをする過程で、次のような行為をするのはやめておきましょう。
- 自分の身分を偽り、住民票や戸籍附票を手に入れる
- 自分の身分を偽り、聞き込み調査をする
- 調査対象者の誹謗中傷を拡散する
- 調査対象者の住居に無断で立ち入る
場合によっては、名誉毀損、住居侵入罪などに問われる可能性があります。(※2)探したいという思いが先走り、知らずに違法行為を犯してしまうことのないよう気をつけましょう。
探偵に人探し依頼する際のポイントや費用相場
行方不明者を探すのであれば、初動が大切です。警察が動いてくれない案件の場合は、すぐに探偵事務所への依頼を検討してみましょう。
ここでは、探偵に人探しを依頼する場合のポイントや費用相場をご紹介します。
信頼できる探偵事務所を選ぶ
探偵事務所によって、対応や調査の質は異なります。次の点を確認しておきましょう。
- 公安委員会登録済である
- 探偵業届出の標識が掲示されている
- 料金が明確である
- 調査員が多く、実績がある
- 親身に対応してくれる
- 利用者の口コミが良い
優良な探偵事務所は、公安委員会登録済であることを証明するために、探偵業届出の標識が掲示されています。また、調査員が多く実績があればノウハウも蓄積されているため、行方不明者を早期発見できる確率も上がるでしょう。
まずは無料相談を利用して、カウンセラー(相談員)の対応が誠実であるかどうかを確認しましょう。
依頼する際には情報をまとめておく
探偵に人探しを依頼する際には、行方不明者の情報をできるだけ多く準備しておきましょう。次のような情報が用意されていると、捜索がスムーズになります。
- 本人の名前・生年月日・住所など
- 本人の写真
- 行方不明時の服装
- 手帳や日記
- スマホやパソコン
- レシートやクレジットカードの明細
- カバンやポケットの中身
些細に感じる情報であっても、知っている情報は全て伝えましょう。意外な情報が発見の手がかりとなることがあります。情報はメモにまとめておくと伝え漏れを防ぐことができます。
費用相場は幅があるため見積もり内容を確認する
探偵に人探しを依頼した場合の費用相場には幅があります。おおよそ、次の金額が目安です。
- 簡易な調査:10万円〜
- 高難易度の調査:100万円〜
費用相場に幅があるのは、調査内容の難易度や調査にかかる日数に差があるためです。捜索が難航し、人手や日数がかかればその分費用は高額になります。
無料相談を利用して、調査内容とかかる料金に納得してから依頼するのがおすすめです。
音信不通になってしまう6つの原因
音信不通になってしまう原因はさまざまです。警察庁の調査によると、行方不明になる多くの原因は年代別で次のようになっています。(※1)(※3)
10代以下:家庭関係
20代〜30代:事業・職業関係
60代以上:認知症関係
40代〜50代は、とくにこの原因が多いというものはなく、職業・疾病・家庭関係のそれぞれが同じような割合であるという調査結果が出ています。
以下で具体的に確認していきましょう。
忙しくて手が回らない
音信不通になってしまうことの大きな理由として、忙しくて転居先や電話番号変更のお知らせができていないことがあります。例えば、転職や離婚にともなう引っ越しの場合、物理的にも精神的にも余裕がなく、意図せず音信不通の状態になってしまうことがあるでしょう。
関係を断ちたいと思われている
相手が意図して音信不通になっている場合もあります。
- 人間関係をリセットしたい
- トラブルがあって離れたい
上記の場合、音信不通の相手の連絡先を知ることができたとしても、相手は連絡をとることを拒否してくるかもしれません。その場合は、相手の意向に沿えるような心づもりでいましょう。
相手が自暴自棄になっている
相手が自暴自棄になっており、誰とも連絡をとりたくないと思っている場合もあります。このような場合、学業や仕事から離れて失踪し、生きる気力を失っている可能性があるでしょう。
ある日突然、学校や職場に来なくなった人がいたら、一刻も早く安否確認をする必要があります。命を絶ってしまう危険も考え、迅速に行動しましょう。
金銭トラブルなど不都合なことから逃げている
金銭トラブルが原因で行方をくらます人も少なくありません。事業が赤字になって借金を返せなくなるなど、金銭トラブルの状況もさまざまです。
探している人とのあいだに次のようなお金のやりとりがあり、逃げている場合もあります。
- 探している人からお金を借りている
- 慰謝料請求されているが支払いたくない
- 養育費を支払いたくない
上記の理由では、金銭を支払うように要求されることを回避するため、あえて連絡を遮断しているかもしれません。相手の居場所を突き止めたら、逃げられないように注意が必要です。
事件・事故に巻き込まれている
あまりにも突然の失踪である場合、探している相手が事件・事故に巻き込まれて、連絡がとれなくなっている可能性もあります。
事故であれば、意識不明などの理由で、連絡がとれなくなっているのかもしれません。意識があっても、術後せん妄で自分の周囲の人の名前や連絡先が分からなくなっていることも考えられます。
また、あまり考えたくないことですが、事件に巻き込まれて監禁されている場合も連絡をとることはできないでしょう。反対に、本人が逮捕・拘留されていて、音信不通になってしまっていることもあります。
音信不通になりやすいタイプとは
音信不通になりやすい人は、刹那的であったり、衝動的であったりという特徴があります。こちらでは、きっかけさえあれば音信不通になってしまいやすいタイプをご紹介します。
何かに夢中になると周りが見えなくなる人
1つのことに集中すると周りが見えなくなるタイプの人は、何かに夢中になっている状況では、音信不通になってしまいがちです。
- 仕事
- 趣味
- なんらかのプロジェクト
上記のように夢中になる対象はさまざまです。そもそもこのタイプの人はコミュニケーションが苦手で、孤立を楽しむ傾向もあるでしょう。
精神的に不安定な人
精神的に不安定な人は、何かのきっかけで自分の殻に閉じこもって音信不通になってしまうことがあります。悩みを打ち明けることができないまま失踪してしまったり、無断欠勤で自宅に引きこもって連絡がとれなくなったりすることもあるでしょう。
トラブルメーカー
悪気がなく気まぐれに音信不通になってしまう人もいます。このタイプは責任感が欠如しているため、問題に直面した場合に責任を放棄して雲隠れする傾向があります。
また、衝動的かつ自己中心的であるため、他者に配慮せず短絡的に行動してしまい、結果的に行方不明になっていることがあるでしょう。
そもそも人間関係も不安定で常にトラブルを抱えているため、いつ音信不通になってもおかしくはないと考えられます。
ギャンブル癖がある人
ギャンブル癖がある人は、そのことによって周囲がどのような影響を受けるか考えません。ギャンブルへの欲求を満たすためには周囲の迷惑など顧みないでしょう。
ギャンブルをやめるように言われたり、ギャンブルによる金銭管理の問題を注意されただけでも、ふっといなくなって連絡がとれなくなってしまうことがあります。
音信不通になってしまう前に、カウンセリングなどのサポートで対策をしておくことが賢明です。
借金がある人
借金の額が返済能力を超えてしまうと、夜逃げなどのように突然行方知れずになってしまうことはあるでしょう。借金問題から逃れることしか頭にないため、音信不通になることによる周囲への影響までは考えられない状況です。
身近な人が失業や病気による収入減少などで困っているようなら、失踪してしまう前に、なんらかのサポートシステムを紹介してあげるのがよいかもしれません。
音信不通の人を探すためには探偵の力を借りよう
周囲の大切な人が音信不通になってしまったら、心配と不安でいたたまれなくなるでしょう。行方不明者が発見される確率は、時間を追うごとに低くなってしまいます。できるだけ早く捜索を始めることが肝心です。警察が対処してくれないようなら、ためらわずに探偵事務所に相談してみましょう。
まずは、探偵事務所の無料相談を利用し、調査内容や見積もりを確認します。この段階で、親身になって寄り添ってくれる探偵であれば、安心して人探しを依頼できるでしょう。