モラハラを受けている人の特徴と対策|モラハラを受けやすい人とは?

モラハラを受けている人の特徴とは?被害を受けやすい環境・対応策も紹介

モラハラを受けやすい人には、いくつかの共通する特徴があります。たとえば、自己肯定感が低い、頑張りすぎる、争いを好まないなどが挙げられます。そこでこの記事では、モラハラを受けやすい人の特徴と対策を詳しく解説していきます。

もしかしたら自分はモラハラの対象になりやすいのかも?大切な人がモラハラで悩んでいる、などの場合はぜひ参考にしてください。この記事を通してモラハラ被害者の特徴と対策を知り、安心して過ごせる毎日を取り戻しましょう。

この記事を読んでわかること
  • モラハラを受けている人の性格的特徴
  • モラハラを受けやすい環境的要因
  • モラハラから身を守るための対策
目次

モラハラを受けやすい人がいるって本当?

モラハラを受けやすい人がいるって本当?

モラハラ被害を受けやすい人がいるのは事実であり、その背景には性格的特徴が影響していると考えられます。またこうした性格的な特徴は、幼少期の経験や家庭環境など様々なことが影響しています。

たとえば、断ることが苦手な人は小さな頃に「誰かの期待に応えることは大切なこと」と教えられた経験があるかもしれません。こうした背景があると、大人になっても職場で頼まれたことを断ることができなくなり、結果的にモラハラの標的になりやすくなります。

またこの他にも、自分の意見を言うことに強い不安を感じる人は、小さな頃に家庭や学校で、何度も自分の意見や主張を否定され続けた経験が、無力感に繋がっていることもあります。

このように、モラハラを受けやすい性格的特徴は、幼少期の経験や家庭環境、その後の社会的な影響など複合的なもので形作られていることがわかります。

モラハラを受けている人の性格的特徴

モラハラを受けている人の性格的特徴

それではまず、モラハラを受けやすい人にはどんな性格的特徴があるのでしょうか?

① 自己肯定感の低さ

モラハラを受けている人の性格的特徴の一つに、自己肯定感の低さがあります。自己肯定感が低い人は、自分の価値を正当に評価できず、他人からの評価や意見に依存しやすい傾向があります。

たとえば、職場の同僚や上司からの批判的なコメントに過剰に反応し「自分は役に立たない」「自分はダメな人間だ」と感じてしまうことがあります。こうした自己肯定感が低い人は、否定的な言動や態度を受けるたびに自己評価がさらに下がり、負のスパイラルに陥ってしまうのです。

また自己肯定感が低い人は、他人に対して「No」と言えない傾向も持っています。たとえば、過剰な要求をされても断ることができず、自分の限界を超えて無理をしてしまうことがあります。これにより、モラハラ行為がさらにエスカレートしやすくなるのです。

② 過度な優しさと他人への配慮

モラハラを受けやすい特徴として、過度な優しさと他人への配慮があります。こうした性格の人は、周囲の人々の感情やニーズを優先し、自分の意見や感情を抑えてしまう傾向を持っています。

たとえば、職場で同僚が面倒な仕事を頼んできても、「断ると悪いから」と無理に引き受けてしまう。家庭で仕事に育児に家事にと限界を感じていても、夫に一言「手伝って」といえないなどがあります。

この過度な優しさは、一見すると相手を思いやっているように見えますが、自己犠牲に繋がるだけでなく、相手のモラハラ行為を助長する原因になってしまうのです。

③ 争いを避ける傾向

モラハラを受けやすい性格的特徴に、対立を恐れて自分の意見を抑え相手に従ってしまう傾向があります。

たとえば、職場で上司が不当な要求をしてきても、「反論するとさらに怒られるかもしれない」と黙って従ってしまう。家庭では、配偶者の理不尽な要求に対して「私が従っていれば、夫婦円満でいられるから」と我慢してしまうことが挙げられます。

このようなモラハラ被害者の行動は、モラハラ加害者としては「支配しやすい人物」と感じさらにモラハラがエスカレートする原因となってしまいます。

争いを避けることは、コミュニケーションでは大事なことの一つですが、何でも自分が折れて解決するという状況はモラハラ被害にあう原因となるのです。

④ 他人の期待に応えようとする姿勢

モラハラを受けやすい性格的特徴の最後が、他人からの期待に無理に応えようとする点です。このような人は周囲からの評価を非常に気にし、自分の意見や意思よりも他人の要求を優先してしまいます。

たとえば、職場で無理なノルマを掲げられたとしても「見捨てられたくない」「期待に応えたい」という思いから、無理な要求を何とか叶えようとしてしまいます。これは家庭内でも同じで、配偶者からの無理な要求に「いい奥さんでいなければ」「いい母親でいなければ」と、過剰に努力してしまいます。

他人の期待に応えようとする姿勢が強い人は、自分の価値を他人の評価に依存することが多く、その結果モラハラ被害を受けやすくなってしまうのです。

モラハラを受けやすい環境的要因と特徴

モラハラを受けやすい環境的要因と特徴

モラハラを受けやすい本人の性格がわかったところで、次はどんな環境がモラハラを生んでしまうのかを見ていきましょう。

① 職場環境の影響

モラハラを受けやすい環境的要因として、職場環境が大きく関与しています。

たとえば、過度な競争が求められる職場では、上司が部下に強いプレッシャーをかけることが日常化する場合があります。このような環境だと、職場内がギスギスしてしまい、結果的に優しい性格、争いを好まない性格をしていれば、ストレス発散のためにモラハラの標的になってしまいます。

また競争だけでなく、職場内のコミュニケーションがうまく取れない場合でも、モラハラは発生しやすくなります。たとえば、社員の意見や要望を聞いてくれない職場だと、社員は不満をためやすくなります。そして結果的に、ストレスのはけ口としてモラハラ行為を行ってしまうのです。

このように見ていくと、職場環境はモラハラの発生に大きく関わっていることがわかります。

② 家庭内の力関係

モラハラを受けやすい環境的要因の2つ目は、家庭内の力関係です。家庭内の力関係が歪な場合、モラハラが発生しやすくなります。

たとえば、夫が家計を完全に掌握している場合、妻が専業主婦であればなおのこと、夫への経済的依存から逃げられず、夫の意見や要求に従わざる得なくなります。こうした力関係になってしまうと、夫が支配的な態度を取りやすくなり、結果的にモラハラ行為へと移行しやすくなります。

また夫婦間だけでなく、力関係の不均衡は親と子供の場合も同様です。たとえば、子供に対して過干渉な親は、子供が自分の意見を言ったり、自己主張をしたりすることを認めません。これは親と子供という絶対的な力関係を利用した、子供へのモラハラ行為の一歩となってしまいます。

このように見ていくと、職場関係だけでなく家庭内でも誰かが我慢する状態が日常化すると、モラハラが起こりやすくなることがわかります。

③ 友人同士の力関係

モラハラを受けやすい環境的要因の3つ目は、友人同士の力関係です。

たとえば、リーダーシップを取り、他の友人がその指示に従うという友人関係では、リーダーシップを発揮している友人は支配的な傾向が強くなることがあります。これは周りが自分の言うことを聞くことに慣れてしまうと「自分の行っていることが正しい」「自分が支持しているからうまくまわっている」と勘違いしてしまうためです。

また友人同士の間で、経済的な依存関係がある場合も、モラハラの原因となりえます。これは金銭的な援助を受けている友人は、援助してくれている友人に対して意見を言いにくくなり、支配を受けやすくなるからです。

このように友人同士の間であっても、その関係に力関係の歪みが生じている場合は、無意識のうちにモラハラが発生してしまうことがあります。

④ 社会的プレッシャーと孤立

最後のモラハラを受けやすい環境的な要因は、社会的なプレッシャーと孤立です。

たとえば、高い業績を求められる職場では、社員は常に強いプレッシャーにさらされています。こうした背景から上司は部下に対して、通常よりも激しい叱責と無理な要求が生まれやすい環境ができてしまいます。

また家庭内でもこれは当てはまり、親が子供に能力以上の成果を期待する場合、子供に対して過度なプレッシャーを与え、これが過剰な要求や態度に繋がります。またこうした親の要求に応えられないと感じた子供は、自尊心や自己肯定感が低くなるだけでなく孤立を深めてしまいます。

誰かに対して期待をかけることは、悪いことではありませんが過度なプレッシャーをかけ続ける環境は双方にとって良い結果をもたらしません。

モラハラから身を守るための対策

モラハラから身を守るための対策

モラハラの性格的特徴・環境的要因を知った最後は、どうすればモラハラ被害を防げるのかを確認していきましょう。

① 自己肯定感を高める

モラハラから身を守るためには、まず自己肯定感を高めましょう。

自己肯定感とは、「ありのままの自分」を受け入れ肯定してあげる力です。自己肯定感が低いと、他人の否定的な意見や攻撃的な行動に対して無力感を抱きやすくなり、モラハラ被害を受けやすくなります。

まず、自分の価値を認識するために、日常生活の中で起こったポジティブな出来事や自分の長所を記録してみましょう。例えば、「今日は仕事で褒められた」「友人にこんな素敵なことを言ってもらえた」などと書き出してみましょう。小さなことでも、こうしたポジティブな出来事を積み上げると、自分の価値を再認識し、自己肯定感を高めることに繋がります。

またこの他にも、新しいスキルを習得するのも効果的です。たとえば趣味を極めるために習い事を始めてみる、自分を変えるために読書するといった行動も自信を取り戻すことに繋がります。

誰かの評価に左右されることなく、自分で自分の価値に気づくことができれば、モラハラを受けても心が乱れることはなく、冷静に対処することができるようになります。

② モラハラを認識する力を養う

モラハラから身を守るためには、自分がモラハラを受けていると認識する力を養う必要があります。

モラハラ加害者はモラハラ被害者に対して、無意識に傷つける言動や行動をとることがあります。このためモラハラ被害者も、自分がされていることがモラハラに当たるときづきにくいのです。また日常的に言動や行動で、無視や傷つけることを繰り返されると、モラハラ被害者自身も自分が何か悪いことをしたのではないかと、自分に原因を求めてしまいやすくなります。

だからこそ、「自分に無理な要求をしてくる相手がおかしい」「何もしていないのに無視するのは変だ」と、自分に非がないことに気づくことがモラハラから抜け出す一歩となります。

またこうして相手がおかしいことを認識できれば、相手からの無理な要求に対して、正当に抗議することができるようになり、距離を置くなどの対策をとることもできます。

③ 信頼できる人に相談する

モラハラから身を守るためにも、信頼できる人に自分の現状を相談してみましょう。誰かに相談することで、問題を客観的に見ることができ、適切な対策を講じる力が養われます。

相談する相手は、友人、家族、問題が職場の場合は同僚や上司もよい相談相手になってくれるでしょう。またもし近しい人に対して相談がしにくいと感じた場合は、カウンセラーや職場の産業医などプロに頼むこともできます。

問題を自分の中で抱えすぎてしまうと、思考が狭まり極端な行動に走るなど、いい結果は生まれません。「モラハラを受けていることを話すなんて恥ずかしい」「甘えだと思われたくない」など様々な葛藤があるかもしれません。ですが、自分のもやもやした気持ちを誰かに聞いてもらうのは、思っているよりずっと心が軽くなります。

ぜひ悩んでいて自分一人の力で解決することが難しいと感じたら、誰かに頼る勇気をもってみてください。

④ 専門家のサポートを受ける

モラハラから身を守るためには、専門家のサポートを受けられないかも考えてみましょう。モラハラという言葉が浸透している現在、公的に頼れるところはたくさんあります。

職場でのモラハラに悩んでいる場合は、以下の相談窓口があります。

  • 総合労働相談コーナー
  • みんなの人権110番
  • 法テラス(日本司法支援センター)
  • 労働条件ホットライン

夫婦間のモラハラで悩んでいる場合は、以下の相談窓口があります。

  • DV相談ナビ(#8008)
  • DV相談+(0120-279-889)
  • 配偶者暴力相談センター

モラハラはあなた自身の心を削っていくとても怖い行為です。何かおかしい、相談できる人がいないと感じた場合は、勇気を出して専門的な場所に相談してみましょう。

⑤ 法的手段とその利用方法を検討する

モラハラから身を守る最終手段として、法的手段を利用することも検討してみましょう。モラハラは目に見える暴力とは異なり、被害者・加害者双方が自覚しにくいものです。ですが放置しておけば、大きな精神的な被害を受ける問題です。

もし法的な手段を検討する場合は、まず証拠を集めましょう。モラハラの具体的な言動を録音・録画、細かな行動や言動を日記などに記録しておきます。

またしっかりとした証拠を集めたら、弁護士への相談も視野に入れておきましょう。弁護士はモラハラに関する法的に有効な証拠についてや手続きなど、専門的な知識から的確なアドバイスをもらうことができます。またそれ以外でも、モラハラ加害者に対しての対外的な窓口になってもらうことで、精神的な負担を減らすことにも繋がります。

そこまでする必要はない、大事にしたくないという気持ちはわかりますが、まずは自分が安全に過ごすにはどうすればよいかを考えましょう。

モラハラを一人で抱え込むのはやめよう

モラハラを一人で抱え込むのはやめよう

モラハラを受けやすい人の特徴を詳しく見ていくと、自己肯定感が低かったり、他人に優しすぎたりと一定の特徴があることがわかりました。こうした特徴を持つ人は、モラハラの影響を受けやすいため、身を守るための対策が必要です。

モラハラは長期間さらされていればいるほど、本人がモラハラを受けていることを認識しにくくなる傾向があります。もし自分の置かれている状況に対して疑問が浮かんだときは、その疑問を受け流すことなく、しっかりと自分の置かれている状況を観察してみましょう。

またもし自分一人で判断することが難しいなら、信頼できる人や専門家に相談して、一人で抱えこまないことが大切です。困ったときは誰かに頼る勇気をもって、周囲のサポートを受けながら前に進んでいきましょう。

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