モラハラ被害はどこに相談すればいい?職場・家庭等相談窓口を詳しく解説

モラハラ被害はどこに相談すればいい?職場・家庭等相談窓口を詳しく解説

配偶者や職場などで、モラハラを受け悩んだことはありませんか?モラハラは目に見える暴力とは異なり、被害者を精神的にじわじわと追いつめていくものです。

そこでこの記事では、モラハラ被害に悩んだときにどこに相談すればよいのかを詳しく紹介していきます。モラハラは被害を受け続けると段々と心が麻痺してしまう。相手から「お前が悪い」「お前はダメな奴だ」と否定され続けることで、自分に非を求めるようになるといった現象が起こります。

モラハラに悩んでいるなら、まずどんな場所が力になってくれるかを知り、適切な機関で適切なアドバイスをもらうようにしましょう。

この記事を読んでわかること
  • モラハラ相談の総合窓口
  • 家庭内モラハラの相談窓口
  • 職場のモラハラ相談窓口
目次

モラハラの理解とその影響

まずはモラハラについての理解と、モラハラを受けたことへの影響について知っていきましょう。

モラハラとは?

モラハラとは、モラルハラスメントの略で、言葉や態度で相手を精神的に傷つける行為を指します。これは職場や家庭内だけでなく、学校などでも発生し被害者側にじわじわと深刻な心理的ダメージを与えます。

例えば、上司が部下に対して、過度に叱責する過剰な要求をすることがモラハラの一例です。家庭内では配偶者に対して、侮辱や過剰な要求、過剰な干渉が挙げられます。モラハラ被害が続くと、モラハラの被害者は自己肯定感が低下し、日常の様々な場面で影響が表れることになります。

モラハラの具体例

それではモラハラとは具体的にはどんな状況なのでしょうか?

職場でのモラハラの一例では、上司が部下に対して「お前は本当にだめなやつだ」「何をやってもできないな」など過度な叱責を繰り返すことがモラハラに当たります。

また家庭内のモラハラの一例としては、夫が妻に対して「誰が養っていると思っているんだ」「お前は母親として失格だ」「お前は本当に何もできないな」など否定的な言葉を繰り返すことが挙げられます。

モラハラが与える影響とは?

上記のように職場や家庭でモラハラを受け続けたら、どうなってしまうのでしょうか?

モラハラが与える影響は、精神的にも肉体的にも被害者に対して深刻なダメージを与えます。まず精神的な影響として、被害者は繰り返しモラハラ被害を受けることで、自己肯定感が下がり、不安や鬱症状があらわれることがあります。

また精神的な影響だけにとどまらず、身体的にはストレスからくる胃痛や頭痛、また深刻になれば不眠症状が現われることもあります。

このようにモラハラ加害者が被害者に対して、生活全般にわたって深刻な影響を与えてしまうのです。

モラハラはどこに相談すればいいの?

それでは「もしかして自分はモラハラを受けているかもしれない…」と感じたら、どこに相談すればよいのでしょうか?それぞれの状況に応じた相談窓口を知っておきましょう。

モラハラ相談の総合窓口

① 福祉事務所

福祉事務所は、地域住民の生活を支援するための公的機関で、モラハラの総合相談窓口としても利用できます。福祉事務所では、経済的困窮や家庭問題、障碍者支援など幅広い分野で相談を受け付けています。モラハラに関しても専門の相談員が対応し、適切な助言やサポートを提供してくれます。

例えば、家庭内で配偶者からのモラハラに悩んでいる場合、福祉事務所に相談すると、状況を詳しく聞いたうえで、心理カウンセリングの紹介や法的支援を含む適切な機関への紹介を行ってくれます。

福祉事務所は、市区町村ごとに設置されており、地域に密着した支援を行っています。そのため、相談者の生活状況や背景に応じたきめ細やかな対応が可能です。

このように、福祉事務所はモラハラの初めての相談窓口として活用できる機関です。一人で抱え込まず、どこに相談したらよいかわからない場合は、まずは近くの福祉事務所に相談してみましょう。

② 民生委員・児童委員

民生委員は、地域住民の生活を支援するためのボランティアで、モラハラの相談窓口としても頼りになる存在です。民生委員は各地域に配置されており、住民の悩みや困りごとを親身になって聞いてくれます。

例えば、家庭内で配偶者からのモラハラに悩んでいる場合、民生委員に相談することで、状況を詳しく聞いてもらい、適切な支援策を紹介してもらえます。民生委員は、地域の福祉サービスや専門機関と連携しているため、必要に応じて心理カウンセリングや法的助言を受けるための橋渡しもしてくれます。

また、民生委員は地域の事情に詳しく、住民一人ひとりの背景を理解しているため、個別の状況に応じたきめ細やかな支援が可能です。例えば、地域内で信頼できるカウンセラーや相談機関の紹介、一時的な避難場所を探してくれることもあります。

民生委員は行政というよりは、ボランティアとして活動しており、地域住民の身近な相談相手という面が強くなっています。「最初から行政に頼るのはハードルが高い…」と感じている場合は、初めての気軽な相談相手として選択してみてもいいでしょう。

③ よりそいホットライン

よりそいホットラインは、モラハラの相談窓口として利用できる電話サービスです。24時間365日対応しており、困っている人がいつでも相談できるようになっています。またもし、電話で話すことも辛いという場合はファックスでの相談も受け付けています。

例えば、職場で上司からのモラハラに悩んでいる場合、よりそいホットラインに電話をかけることで、専門の相談員が親身になって話を聞いてくれます。また、家庭内でのモラハラに苦しんでいる場合も、このホットラインを利用することで、適切な支援策を見つけることができます。例えば、配偶者からの言葉の暴力に悩んでいる場合、相談員が心理的なサポートを提供し、必要に応じてカウンセリングや法的支援の情報を提供します。

よりそいホットラインは匿名での相談も可能で、誰にも知られずに安心して利用できます。対面で話すことが難しい、まずは自分のことを知らせずに相談を聞いてほしい、といった場合に利用してみましょう。

  • 0120-279-338(よりそいホットライン)

④ 女性の人権ホットライン

女性の人権ホットラインは、モラハラの相談窓口として頼りになる電話相談サービスです。このホットラインは、女性の人権に関するあらゆる問題に対応しており、モラハラに悩む女性に対して専門的な支援を提供してくれます。相談員は法務局職員や人権擁護委員が担っているため、安心して相談できる環境です。

女性の人権ホットラインは匿名での相談も可能なので、初めての相談でも安心して利用しましょう。モラハラに限らず、さまざまな人権問題について相談できるこのホットラインは、多くの女性にとって心強い味方です。

ただ相談できる時間は法務局の業務時間と同じ、平日8:30~17:15となっているため、平日が仕事という方は少し相談しにくい部分もあります。

  • 0570-070-810(女性の人権ホットライン)

⑤ 警察相談専用電話#9110

警察相談専用電話#9110は、モラハラ相談として活用できる電話窓口です。この番号にかけることで、地域の警察署に直接つながり、モラハラに関する相談を行うことができます。

この電話番号は、犯罪や事故発生には至っていないけど、困ったことがあり警察に相談したいことがあるときに利用できる窓口です。具体的には家庭相談だけでなく、悪質商法などの場合でも利用可能です。

受付時間は一般的に、平日の午前8:30~午後5:15となっていますが、各都道府県警察本部で異なり、一部県警では24時間受付を行っている場所もあります。すぐに警察に通報するのはためらわれる場合などに、まずは相談だけでもしたいケースで活用してみましょう。

  • #9110(警察相談専用電話#9110)

夫婦間のモラハラ相談

ここからは夫婦間のモラハラの場合の、相談窓口を詳しく知っていきましょう。

① 女性相談支援センター(旧 婦人相談所)

女性相談支援センターは、女性が抱える様々な問題に対して専門的なサポートを提供してくれる窓口です。女性支援新法第9条に基づき、各都道府県に1つずつ設置されています。

配偶者からのDVに悩む女性や、困難を抱える女性に対して、さまざまな相談に応じてくれます。具体的に電話相談、対面相談などを行っており、緊急性の高いDV相談などは、24時間対応している県もあります。

配偶者からの暴力に悩んでいる、人に言いづらい悩みがあるなどの場合は、まずは自分の住んでいる地域の女性相談支援センターに連絡してみましょう。

② 女性センター

女性センターは、各都道府県や市区町村により独自に運営されています。現在では呼び名が様々あり、一般的には「女性センター」「男女共同企画センター」などと呼ばれています。

具体的には、女性の相談だけでなく男女共同参画のための総合的な施設として、地域の様々な課題に対応するため実践的な活動を行っています。

例えば、もりおか女性センターでは、「女性の自立と社会参画を支援するため、講演の企画実施、情報の収集と発信、相談事業」などを行っています。相談するだけでなく、DVについての知識や見解を知りたいなど幅広い活用ができます。

③ 配偶者暴力相談支援センター

配偶者暴力相談支援センターとは、配偶者からの暴力防止及び被害者保護を図る機関です。具体的な活動として以下のことが挙げられます。

  • 相談や相談機関の紹介
  • カウンセリング
  • 被害者および同伴者の緊急時における安全の確保及び一時保護
  • 自立して生活することを促進するための情報提供その他の援助
  • 被害者を居住させ保護する施設の利用についての情報提供その他の援助
  • 保護命令制度の利用についての情報提供とその他の援助

全国にある機関ですが、都道府県によって女性相談支援センター、女性センター、福祉事務所など設置されている場所が異なります。利用方法としては事前に、住んでいる地域の配偶者相談支援センターに連絡を入れて相談するのがよいでしょう。

④ DV相談+

DV相談+は、配偶者やパートナーから受けている様々なDVについて相談できる機関です。具体的には、

  • 専門の相談員が対応
  • 365日相談可能
  • 24時間電話対応可能
  • 24時間メール対応可能
  • 10か国語対応
  • 時間帯によって男性相談にも対応

となっています。また相談を受けたうえで、必要であれば「同行支援」「保護」「緊急宿泊先の提供」なども行ってくれます。相談も電話だけでなく、SNS相談、メール相談などもあり、電話で話すことが難しい場合でも利用できるのは大きなメリットです。

  • 0120-279-889(DV相談+)

⑤ DV相談ナビ

配偶者からのDVに悩んでいるとき、「どこに相談すればいいかわからない」といった方のために全国共通で作られた電話番号(#8008)から、DVを相談できるナビダイヤルです。

この番号に電話することで、発信地の情報から最寄りの相談窓口へ電話が自動転送され、直接相談することができます。今の状態でまずはどこに相談したら良いのかわからない、疲れていて色々なことを調べる気力がないという場合は、まずはこちらに連絡をして色々な相談とアドバイスをもらってください。

ただフリーダイヤルではないため、通話料がかかる点と、24時間受付ではないため相談窓口が開いている時間しか相談できません。その点だけ注意して相談をしてみましょう。

  • #8008(DV相談ナビ)

職場のモラハラ相談

ここからは職場でのモラハラに悩んでいる場合の相談窓口を見ていきましょう。

① 総合労働相談コーナー

総合労働相談コーナーとは、職場のトラブルに関する相談や悩みについて、ワンストップで情報提供や相談を受け付けている窓口です。

具体的には、モラハラだけでなくパワハラ、セクハラ、解雇や雇止めなど労働に関する悩みに寄り添ってくれる機関です。相談窓口は各都道府県に複数設置されており、面談か電話で対応しています。ただ24時間受付ではないため、具体的な相談時間については最寄りの総合労働相談コーナーで確認を行いましょう。

② みんなの人権110番

みんなの人権110番は、差別や虐待、ハラスメントなど様々な人権問題についての相談を受け付けている窓口です。電話をかけると、最寄りの法務局に繋がり、法務職員や人権擁護委員が相談を受け付けてくれます。

相談は電話だけでなく、対面、インターネット、LINEから行っているため、自分が利用しやすい方法を活用しましょう。

  • 0570-003-110(みんなの人権110番)

その他の利用できるモラハラ相談

ここからはモラハラについて、その他に相談できる場所を紹介していきます。

① 心理カウンセラー・心療内科・精神科

心に不調がある場合は、心理カウンセラー、心療内科、精神科などの受診も検討してみましょう。

モラハラで受けた傷は、目に見えないためなかなか意識することは難しいものです。しかし、不眠や強い不安感があるなら、早めに専門家に相談することが大切です。いきなり専門医に相談するのはハードルが高いと感じる場合は、初回カウンセリング無料などを行っているところを利用してみてもいいでしょう。

またもし、モラハラ加害者に対して正当な制裁を与えたい場合は、モラハラによる診断書は有効な証拠となります。相談だけでは心のもやが晴れない、心身にモラハラの影響が出ているといった場合は、早めの治療を検討しましょう。

② 弁護士への相談

モラハラによる被害について、訴えることを検討しているなら弁護士への依頼も検討しましょう。夫婦であれば弁護士への依頼は、別居・離婚の際に強い味方になってくれます。また職場などでの場合も、嫌な会社への対応窓口を弁護士に依頼することができ、精神的な負担を減らすことができます。

弁護士への相談は、当然料金がかかりますが、どんな証拠を集めるべきなのか?どんな結果を得たいのか?相手とどう交渉すればよいのか?などがわからない場合は、弁護士への相談を検討してみましょう。

③ 法テラス

法テラスとは、国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」です。

具体的に「借金」「離婚」「相続」「職場」などで、トラブルを抱えた場合、トラブル解決のための法的措置について、具体的に相談することができます。

また法テラスでは相談は無料で行えますが、その後弁護士に依頼する場合は弁護士費用が必要となります。ただし、弁護士費用が必要となった場合でも、支払いが難しい人向けに「民事法律扶助業務」という制度があり、申請が通れば弁護士費用を立て替えてもらえます

弁護士に依頼したいがどうすればよいかわからない、といった場合はまずは無料の法テラスで相談して今後の指針をたててみましょう。

モラハラは一人で悩まず相談しよう

モラハラで悩んでいるなら、まず一人で悩むことなく誰かに相談することが大切です。モラハラはじわじわと精神的なダメージをもたらすため、長期間放置しておくと、心だけでなく身体も次第に蝕まれてしまいます。

モラハラが認知されている昨今、相談できる窓口は増えています。「誰かに相談することが恥ずかしい」「こんな小さなことでも相談していいのか…?」と悩む前に、ぜひ気軽に相談できる場所を頼りましょう。

誰かに相談することで開ける道が必ずあります。一人で悩まず、あなたの心の痛みを和らげる方法を探していきましょう。

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