相談者:ゆきこさん(女性・30代)
12歳年上の主人のことでご相談させてください。
主人はとてもまじめな性格で、何ごとに対しても真摯に向き合うタイプの人です。また、申し分のない収入がありますし、子どもたちともよく遊んでくれたり、私にもお祝いの時にはプレゼントをくれたりなど、家族に対してとても良くしてくれています。
しかし、私自身がマイペースな性格のためか、主人のように物事をこなしきれていないことが原因で、主人に対して疲れてしまい、どうやって毎日を過ごしたら良いのか悩んでしまう日々が続いています。
こんな私に何かアドバイスをいただけないでしょうか?どうぞよろしくお願いいたします。
カウンセラーからの回答
とっておきの魔法の言葉を思い出して。
こんにちは、ゆきこさん。心理カウンセラーのオハナです。
自分より物事をパーフェクトにこなす人がいると、ものすごく尊敬してしまいますよね。自分もあんな風にできたらいいな~とか、こんな風にこなすなんて私にはできないな~とか、いろんな考えが頭の中をグルグルしているのだと思います。
ただ、グルグルしているだけなら支障はないのですが、それがそのうち自分自身を攻撃するようになったら要注意です。
恐らく、ゆきこさんの現在の状況は、なんでも完璧にこなしてしまうご主人に対して、ゆきこさんの心のモヤモヤが自己嫌悪を生み出してしまっている心の状態なのではないのかな?と、ご相談内容から感じています。
たとえ、ご主人や子どもであっても、自分以外の他者を自分の思う通りにすることは難しく、人それぞれに『自分の中の完璧なもの』というのがあります。そして、それに従って判断をしたり流れを作っていったりするのだと思います。
ゆきこさんは、ゆきこさんの中にある自分の流れの中で、毎日の生活を送っているのではないですか?
それはおそらく想像ですが、ゆきこさんにとってはとても心地のいい空間であったり、流れであるのだと感じます。
そういった毎日の中で、ミスターパーフェクトさんがいると自分との違いが「差」のように感じやすくなり、結果的にそれが自分を追い込んでしまう原因になってしまうのではないでしょうか。
お話しを断片的に聞いていますと、ご主人はゆきこさんに対してなにかを押し付けたり、ゆきこさんの行動を否定したりといったことはなさそうですよね。
また、プレゼントなどもしてくれるということですから、ゆきこさんのことをとても愛してらっしゃるのだと感じます。そして子どもたちにとっても、とても良いパパなのでしょう。
周りから見ると、そういった男性をご主人に持っていることは非常に羨ましい限りではあるのですが、ゆきこさんにとっては心の負担になってしまっているのかもしれません。
ではここで、ゆきこさんにとっておきの方法をご紹介しますね。
それは「人は人、わたしはわたし」という呪文を唱えることです。
とてもありふれた言葉なのですが、非常にごもっともで心にストンと落ちてくる魔法のような言葉です。
ご主人はご主人の中の流れにある完璧を、ゆきこさんはゆきこさんの中の流れにある完璧をまっとうすることです。『人は同じでなくてはならない』ということではなく、ご主人はご主人、ゆきこさんはゆきこさんで良いのです。
この考えを日々意識することで、ゆきこさんの心の状態が良い方向へ変化してくると思います。ぜひ試してみてください。
目の前の人より、自分に目を向けてみて。
ゆきこさんはマイペースな性格のようですが、マイペースな性格の人には良い部分が沢山あるのをご存じでしょうか?
時間軸がのんびりゆっくりと流れている人が多く、せかせか過ごしている人よりもストレスは少ないと言われています。
ちょっとやそっとのことは気にしないので、不安に駆られたり物事をネガティブにとらえたりすることも少ないでしょう。
また、ゆきこさんのようにゆるい性格の人は、多くの友人に囲まれていることも多いようです。きっと、一緒にいると「ま、いいか」「どうにかなるね」というポジティブな発想になるからだと考えられます。
これは違う方向から見れば「めんどくさがり」という欠点にも映るのですが、楽天家という気質のあらわれでもあるのですよね。本当は急いでいるけど、混雑しているレジなんかでは「しょうがないよね」と構えることができる、天性のザ・穏やかさんとも言えるのです。
そういう時間軸で過ごすことが、ストレスのない自分でいられるのなら何の問題もないと思うのです。ただし、他人に迷惑をかけるようなマナー違反やルール違反をしていない、というのが大前提です。
ゆきこさんは、そういった素敵な部分を持っているはずですが、自分では気づいていらっしゃいますでしょうか?ダメな部分を持った自分の性格だから『ゆるい』という認識は絶対にしないでほしいのです。
とても多くの魅力を秘めた性格であることに誇りをもっていただきたいな、と思うのです。
ご主人のパーフェクトさは、人から見れば『窮屈さやセカセカした人』という映り方も時と場合によってありうるでしょう。人というのは、誰もがプラスとマイナスの面を併せ持っているからこそ、魅力的でもあり惹かれるのだと思うのです。
ご主人が、文句をいうことなくゆきこさんと一緒に生活をし、プレゼントをしてくれているのは、ご主人がゆきこさんに魅力を感じているからに他ならないからでしょう。ゆきこさんはどうか目の前にいるご主人にマイナスを見出さず、そしてそれに窮屈さを感じることなく過ごしていただきたいと思います。
なぜなら、人を変えることは不可能だからです。今目の前にいる人は、そのままで完璧であり不完全なのです。
ですから、日頃からお互いに認め合ったり、時には華麗にスルーをして楽~に生活をしたりするのも、問題解決のコツなのではないでしょうか。
毎日をどうやって過ごそう、なんて考えなくても大丈夫。
そういえば、ゆきこさん。毎日をどうやって過ごしたら良いでしょうか?とご質問をしてくれましたね。
多くの人は仕事にせかされたり、親兄弟や友人知人、同僚などのはざまで頭を抱えるようにして過ごしていたりする人がいらっしゃいますが、ゆきこさんと同じように、ご主人との関係でため息をついてしまうような過ごし方をしている人もいるでしょう。
けれど、ゆきこさんにこれだけは伝えておきたい。日々の過ごし方で大切なのは、自分の欠点を無視することです。欠点を意識しなくてはならないのは、まわりの人から指摘されたときだけで十分だと思うのです。
ゆきこさんの場合は、ご主人が「もうちょっと、ああしてほしい、こうしてほしい」と伝えてきたときで良いのです。「ああ!私に足りないのはこの部分か!」と認識して、その部分を少しずつでもよいので、改善しお互いに暮らしやすい環境を作り上げていけばよいと思うのです。
結婚生活ってきっとそのことの積み重ねなのではないでしょうか
しかし、現時点でご主人からの要望は特にないようですから、わたしはゆるい性格だからパーフェクトな旦那がいると疲れちゃうわ、などと思わなくてよいということになります。
ゆきこさんはゆきこさんのままで、ご主人はきっと満足してらっしゃるでしょう。自分があれをしないから良くないのかも、もしかしたら自分がいなくてもこの人は一人でも十分生きていけるのかも。
もしそんな風に頭の中をよぎることがあったら、それは自分自身が生み出した弱点なのだと認識してしまいましょう。そう!「比べる」という弱点です。比べることで奮起できる性格であれば、何の問題もありませんが、ゆきこさんの場合は、比べることで優劣をつけ自分を貶めてしまう傾向にあるようですから、これはぜひとも避けていただきたいなと思います。
日々の過ごし方は、退屈であろうとなかろうと、本人が快適だと感じて笑顔で過ごせれば合格点です。
もし、状況を打破しないのなら。
とはいっても、ゆきこさん。心のどこかでやっぱり納得できない部分ってあると思います。パーフェクトなご主人を毎日そばで目にしているのですから「そんな簡単には気持ちの切り替えできないよー!」と言いたくなる時もあるかもしれませんね。
そんな時は、ひとつかふたつ自分自身に課題を出してみてはいかがでしょうか?子どもの頃に「夏休みの課題」といってスケジュールを組みながら、宿題やおうちのお手伝いなんかを円グラフにして色鉛筆で塗ったりしませんでしたか?あれは計画を立てて物事に取り組む力を身につけさせる1つの方法です。
あんな感じのイメージを頭の中に描いて、なにか始めてみると良いでしょう。今日は洗濯物をやっつけちゃうぞ!それと、実はずっと気になっていたテレビボードのあの辺・・そうあの辺を拭いちゃおう。そんな感じでバッチリだと思います。小さなことでも何かひとつクリアすると、次のステージが待っていそうでワクワクするかもしれません。ぜひ取り組んでみてください。ゆきこさんの笑顔を引き出したい☆オハナでした。