いくら言い訳しても、行動で関係はバレバレ!苦しい言い訳を裁判所から全否定された末に、愛人が妻に慰謝料を支払うことになったケース

今回ご紹介するのは、支え合って整体院を営んでいたはずの夫婦が、夫の不貞によって裁判に至り、妻が慰謝料を勝ち取ったケースです。夫は、愛人女性をこっそり仕事場に連れ込んでいたにも関わらず、あれやこれやと言い逃れしようとしますが、そんな悪あがきをしても、証拠写真があれば不貞はほぼ認められる、という一例です。
※ 実際の裁判例を基に、詳細を変えて再構成しています。


















事の始まりは・・・
A子さんは整体師のB氏と結婚し、夫が独立して構えた整体院が軌道に乗るまで、子育てもしながら支え続けてきました。15年も経った頃、夫婦仲もそれほど良くないことから、ふと離婚を口にしますが、その時はB氏が断固拒否。A子さんも思い直して心機一転…と思ったら、そのわずか2年後、なんと今度はB氏が「離婚したい」と言い出します。
実はB氏には愛人のE美がいて、夫婦仲の愚痴を言ったり聞いたりするうち、ここ数年でどんどん仲が深まっていたらしいのです。それを知らないA子さんは、近年やたらと夫がビジネスホテルや整体院で寝泊りするのは、繁盛して仕事が忙しく終業が遅くなったからだろうと思っていました。
ところがある時、長年の利用客から「終業後に残って経理関係の手伝いをしている女性がいるね」という話を聞き、ピーン! 夫婦仲はすでに冷え切っていたものの、17年に亘る自分の献身を思うと、ただ黙っておとなしく離婚する気はありません。A子さんは探偵事務所に調査を依頼します。
その後・・・
探偵事務所の調査によって、次のことが報告されました。
- 終業後の整体院で、45分間2人きり、うち30分は消灯
- 一緒に不動産会社に行き、そのまま物件を内見、途中、膝枕で休憩
- 1カ月の間に、ラブホテルの出入りを3回確認
これらを証拠に、A子さんは裁判を起こしますが、B氏とE美の悪あがきは、なかなかのものでした。
いざ、裁判へ!
裁判所はB氏とE美の関係について、「不貞行為があったと認める。E美はA子さんに100万円を支払うこと」と判決を下します。
ところがE美は、「ラブホテルに入ったのは事実です。でも、Bさんが体調不良を訴えたので、マッサージをしてあげていたんです」と主張。
しB氏も、「そ、そのとおりです!私は不眠に悩み、それを普段からE美さんに相談していて…、あの日は“ゆったり風呂に入って休めるところはないかな、あっ、ラブホで休憩しよう!”とひらめいたんです。ほら、ラブホって安いですから。E美さんに一緒に来てもらいましたが、SEXなんてしていません!」と必死に主張しましたが、裁判所は意に介さず、「不貞行為を認定する」、とバッサリ。
ラブホテルへの出入りが、探偵事務所によって激写されていることが根拠でした。
整体院に2人きりでいた件については、E美が「確かに2人でしたが、私は経理業務をしていました。職場でSEXなんかしてません!」と主張。45分間という微妙な長さの時間ではありますが、それでも裁判所は「不貞行為を認定する」とし、その根拠となったのは、やはり探偵事務所からの報告書でした。そこには、2人きりになって油断したのか、整体院のガラスドアの近くでぴったり寄り添い、B氏がE美のお尻に手を回している親密な様子が写真に収められていたのです。加えて、45分のうち30分は灯りが消えた状態であったことや、整体院はベッドがある環境だという点も考慮されました。
さらに、2人が物件の内見をした日の写真には、絶えず手を繋いだり、互いの腰に手を回したりして歩く様子や、ひとけのない公園で休憩した際に、B氏がE美の膝枕で寝そべる姿もとらえていました。
さいごに
裁判では証拠が命です。
裁判では、“お泊り”の証拠がつかめれば99%不貞行為が認定されます。しかし、多くの不貞者は「(ラブホに一緒に入っても)SEXしていない」と言い張ります。
中には、「彼が、“誰にも聞かれたくない電話をするためラブホテルに入りたいが、女性が一緒でないとだめなので”と言われたので付き添い、電話中ずっとテレビを見ていた」と主張したケースも。
しかし、裁判所は「不貞行為(肉体関係)があった」と断定しました。
ラブホの出入りが認められれば、ほぼ“有罪”。それ以外でも、つねに親密な身体接触がある(つまりイチャイチャする)などの親密さが確認されれば、ホテルなどの滞在が短時間であっても、不貞を認定される可能性は高まります。
今回のB氏とE美の件も、抱き合ったり膝枕したりなどのイチャイチャぶりが、不貞認定の決定的な証拠の1つとなっています。
“決定的な証拠”には写真や動画が一番ですが、素人ではうまく撮れなかったり、バレる危険性がありますので、証拠集めは訓練されて経験を積んだプロの探偵にお願いしましょう。裁判で勝利するためには、法律と交渉のプロである弁護士の力を活用しましょう。
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