別れてしまった元恋人と涙の再会!末期ガンを患い、余命宣告された終活の果てに…
「初恋の人」
「昔の交際相手」
「不幸な別れ方をした元恋人」
など、過ぎ去った恋の思い出をたどるためのご依頼が、コロナ禍以降、ぐんと増えた印象があります。
ステイホームで長いおうち時間を過ごすうち、昔の手紙や写真を見つけて思い出したという人もいれば、感染症による「死」が身近に迫るのを感じたことで、「悔いを残したくない。もう一度、会いたい」という終活の思いに駆られた人も多いようです。
ましてや、ご自身がすでに病を患っており、余命宣告を受けた身だとすれば…
「もう一度」と願う思いの強さは、想像に難くありません。
今回は、若かりし日の恋人を探してほしいというご依頼の事例を紹介します。
背景・調査目的
車椅子で来社されたそのご依頼者は、「もうすぐ70歳だが、迎えられないかもしれないんです」と苦笑し、余命宣告を受けた末期がんであることを語った。
数年前に妻を亡くし、自らも今、残された時間が少ないと実感したとき、思い出すのは約50年前に別れた交際相手・Aさんのこと。
当時、転勤が決まり、「一緒に来てほしい(結婚)」と願ったが、若かったAさんは親元を離れて見知らぬ土地に行くことにうろたえ、無理だと断った。
ご依頼者はショックのあまり彼女に酷い言葉を投げつけ、見せつけるように浮気をした挙句、二度と会わないまま転勤してしまった。
若気の至りとはいえ、彼女の気持ちを思えば酷いことをした。
謝りたい。何より、もう一度会いたい。その思いから、調査に至った。
調査結果
ご依頼者から寄せられた情報は、Aさんの氏名・50 年前の実家住所・卒業校・職業・姉の名前と結婚後の姓である。鋭意調査を進めたが、両親はすでに県外に転居し、実家跡は更地。学校は生徒の卒業後までをフォローしておらず、元勤務先でもAさんを知っている職員はすでに皆無だった。
「同姓同名者」および結婚して姓が変わった可能性を考え「名前のみ」でも調査を行ったところ、数十名の該当者がいたものの、全員、年齢や経歴が違い、別人と結論した。ところがその過程で、姉の現住所が判明。そこから関連をたどることで、ついにAさんの現住所を判明させることができた。
しかし、「探偵業法」や「個人情報保護法」の観点から、判明した情報をそのままご依頼者に渡すことはできない。そのため、逆にご依頼者からの手紙(連絡先)を対象者に渡し、その後、連絡をするかどうかは当事者に任せるというのが探偵業の通例である。
今回のケースでも、探偵がご依頼者の親類を装い、Aさんに接触。Aさんは突然の訪問者に多少の警戒心を示した後、懐かしい名前に驚き、こちらに促されるままその場で封を開けて手紙を読んだ。
中には、連絡先と共に、自らの余命宣告のことや、できれば会って話したいことなどが記されていたようだ。Aさんは涙を浮かべて手紙をたたみ、「はい…」とつぶやいた後、探偵に向き直って
「ありがとう。本当にありがとう、ありがとうございました」と語った。 連絡するともしないとも、答えはなかった。
だが後日、ご依頼者からAさんと涙の再会が叶ったとの知らせが寄せられた。
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